松涛

中央環状線の出入口(10月13日)

2日連続で中央環状線について書いた。これまで高速道路の意味についてあまり考えることもなかったが、その出入口がどこにあるかが街に影響を及ぼすことに気づいた。いうまでもなく、地価などの利益にもからむことだし、沿道はどこでも大きな政治問題のはず。東京では話題になることもないようだが、少なくとも高速道路の出入口に近いと高速道路が運んでくれるところまでの距離が近くなることはいうまでもない。飛行場が近くなれば日本全国、飛行場の側であればすぐそこにあるようなものとなる。それだけ高速道路出入口近くの土地の価値が向上することになるわけだろう。
そういう目でみると、中央環状線は出入口が少ないことに気づいた。地下深く走っているから出入口を作るコストは通常の高速道路の比ではないはず。だから最低限度で計画することは自然だ。新宿線の場合は東北自動車道方面と連絡する出入口が富ヶ谷、中野長者橋、西池袋の3箇所だが、大橋ジャンクション方面だと、池袋西と初台南の2箇所。これが新宿線の後で決まった品川線になると、東北自動車道方面のみが五反田の1箇所でつながることになっている。湾岸線方面との行き来には品川線ではつながらない。中央環状線の山手トンネル全線では北方向が4箇所、南方向が2箇所の出入口ということになる。湾岸線から中央環状線に入っても初台南か、大橋ジャンクションで3号渋谷線に入り六本木通の渋谷出口に出るしかない。
目黒区の立場からすると、山手通りの地下に道路は通したけれど、その道は使えないということで、鉄道は通したけれど駅ができなかったというようなものだ。でも東京都の場合、目黒区とか渋谷区とかいうことは考慮の対象外なのだろう。出入口があるとかえってその近辺の道路が混雑するという問題が出てくる可能性もありそう。そういう意味では、東大裏の交差点に富ヶ谷出入口を利用する車が集まってくることを心配した方がよいのか。いずれにしても、中央環状線は都心を通過していた輸送車をバイパスさせることによる都心部の渋滞緩和が目的のようだから、出入口など気にすることでもないのかもしれない。
写真は品川線開通時には湾岸線から最初の出口となる初台南出入口。来年3月の新宿線開通時には東名から大橋ジャンクシンで地下にもぐり、ここから新宿方面に向かうことになる。


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中央環状新宿線富ヶ谷出入口登場(10月9日)

来年3月に完成予定の中央環状新宿線の富ヶ谷出入口は西新宿ジャンクション方面と結ばれる。これに加え、初台南出入口が大橋ジャンクション方面へとつながることで、新宿線の2つの方向への出入のセットができることになる。中央環状新宿線の初台南出入口は新宿と東名高速を結び、平成25年度に予定されている中央環状品川線の完成後には新宿と羽田や成田をも結ぶ重要な出入口となりそうだ。
一方の富ヶ谷出入口の方は西新宿ジャンクションで中央自動車道に向かうか、板橋ジャンクションから東北自動車道や常磐自動車道に向かうことになる。こちらは特に中央自動車道の渋谷方面出入口として、また品川線の完成までは東北・常磐自動車道の東京南端の出入口として利用されることになるのだろう。渋谷と甲府・松本や東北・常磐方面を結ぶ高速バスの運行がされれば、その出入口ともなる。日光や那須に行くにも便利になるはずだ。その入り口がようやく外から見えるようになっている。
高速道路の出入口は鉄道の駅のようなものだから、そこに近いことのメリットが具体的に示されてよい。不動産価値への評価はどの程度なのか興味深い。


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生誕120年野島康三肖像の核心展(9月29日)

今日から11月15日まで、松涛美術館で表題の写真展を開催している。野島康三(のじまやすぞう)という人は昭和初期に活躍した写真家で、松涛美術館には縁があるようだ。出展作品は地階では女性の肖像写真が主体で、2階は風景写真が多い。作品にはその時代の空気が閉じ込められていて、その絵画調の仕上げには落ち着いた味わいを感じさせる。女性の肖像が浮世絵から写真になっていく一つの過程とも解釈できそう。色彩のない白黒写真なので華やかさからは無縁なのだが、それが時代の雰囲気のようにも見えてくる。
松涛美術館は今年度で4回の企画展を開催するだけの地味な美術館だが、開催頻度を増やすための予算獲得はむずかしそうだ。



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死亡事故発生(9月16日)

渋目陸橋の下の松涛2丁目交差点、コナミスポーツクラブの前で交通事故が発生した。9月11日午前5時40分ごろに自動車と歩行者の交通死亡事故が発生したことを掲示する看板がでている。目撃者があれば連絡がほしいとのこと。ひき逃げなのだろうか。
この渋目陸橋の下は、赤信号や信号のないところを渡る歩行者が多い。山手通りを渡るための信号待ち時間が長いことと、山手通りを直進する車は渋目陸橋を通るので、自動車の走行がとぎれがちになるためだ。
近所で死亡事故が起きたということは大きなニュースなのだが、何が原因でどんな人が亡くなったのかといったことは分からない。
調べてみると渋谷警察署管内だけでも、人身事故は今年の1月から8月までの累計で612件あることがわかった。死傷者数だと684人になっている。毎月70件以上の人身事故が発生している計算だ。渋谷区には原宿警察署もあるから、渋谷区全体ではもっと多くの人身事故が発生していることにもなる。これだけ件数が多いと警察署でも個別の事故をいちいち発表するのはむずかしかろう。いろいろな交通事故統計がホームページで公開されているが、その件数の多さは意外なのではなかろうか。
にもかかわらず、遠くの県のひき逃げ事件がテレビニュースになるのは何故だろう。


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鍋島松涛公園の風景(8月6日)

紀伊徳川家の下屋敷だった松涛一帯は、明治になってから佐賀の鍋島家が払い下げを受け、そこを茶園にしていた。しかし、東海道線の開通にともない静岡の茶が東京に入るようになったために茶園が廃止され、湧水池の一画を児童遊園としていたのを1932年に鍋島家が東京市に寄贈した。その後、渋谷区の公園になったとされる。
公園の面積の半分は池で、周囲の歩道と入り口に児童用遊具があるだけだ。高級住宅地の中にある癒しのスペースとしては中途半端な広さで、また、災害時の避難場所の指定対象にもされていないから、防災拠点としての評価もないのだろう。ジョギングやウォーキングをする人たちも、公園の中に入らずに外側を回ることが普通のようだ。
池には水車があり、東屋が湖面にせりだしているが、その東屋の入り口には1年以上前から柵が作られ、景観を破壊している。さらに最近、砂場に犬猫の侵入を防ぐためとして柵がめぐらされた。人が入るのであればやむを得ない措置なのかもしれないが、人を入れないで池の木々を周囲から眺めるだけにするというのではどうなのだろう。人が入れないと公園にならないということでもあるのだろうか。政府高官も住む高級住宅地として知られる松涛の景観をもうすこし心配する人がいないものか。


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イスラム文化を感じる街(7月30日)

来年3月に大橋ジャンクションで首都高につながる予定の中央環状新宿線、富ヶ谷出入り口のところに変化があるのではないかと期待して見にいったところ、外からは半年前と何も変わらない状態だった。東大裏からずっと工事中の殺風景な眺めが続くばかり。ところが、富ヶ谷交差点に出て井の頭通りを代々木上原方面に向かうと、来年には山手通りが渋目陸橋までこんな感じに整備されるのだろうと期待させてくれるような道路を見ることになる。しばらく歩き小田急線のガードをくぐるとモスクの尖塔が見える。そこが東京ジャーミー とよばれるイスラム寺院だ。1917年のロシア革命により、ソ連から亡命してきた現在のカザフ共和国系トルコ人が代々木上原に住んだそうで、そのため1938年にここにモスクが建てられた。それが老朽化したため2000年に建て替えられたのが現在のモスクだ。モスクはトルコ語でジャーミーと呼ばれるので東京ジャーミーという名称になっている。神戸モスクと並び日本を代表するモスクとはいえ、1935年建造の建物が空襲と震災を経てもそのまま残っている神戸モスクほどの観光スポットにはなっていないようだ。
異教徒である日本人も中の見学は自由で、異国の雰囲気を楽しむことができる。考えてみると、近隣諸国とインドシナ・インド以外のアジアの大半はイスラム教の国だ。イスラムというと最近では、イスラム過激派のテロリストを連想しがちなのだが、もっとその文化的背景を理解することが必要なのだろう。
イスラム教国ではすぐ近くにアフガニスタン大使館があり、神宮前のトルコ大使館、旧山手通り沿いのエジプト大使館とマレーシア大使館も近い。イスラム教国から来ている外交官などの社交の場としても利用されているのだろうか。
松涛2丁目交差点のセントラル病院そばに新しく開店した、ファラフェルなどのベジタリアンの食事ができる店は、イスラム圏の街角にある飲食店の雰囲気もかもし出す。現在大使館限定で入居者を募集中の都知事公館跡の建物がイスラムの国の大使館になる可能性もあり、山手通りが整備されると、東京ジャーミーから代官山まで、ニュージーランド、モンゴル、デンマークといった非イスラム教国の大使館関係者も含め、国際色豊かな街並みを感じさせるようにもなりそうだ。


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松涛美術館に江戸の幟旗(7月28日)

松涛美術館で「江戸の幟旗(のぼりばた)庶民の願い・絵師の技」という展示会が今日から始まった。渋谷区公式ホームページでは以下のような紹介がされている。
「端午の節句や神社の祭りなどで、飾りとして立てられた幟旗は、浮世絵や絵馬などと並んで、江戸時代の庶民的な絵画の代表格でした。江戸時代の庶民にとって、村の鎮守の祭りに立派な幟旗を揚げることは大きな誇りであったため、幟旗には勇壮な武者などを主題とする豪華な絵が描かれ、有名な書家に頼んだ立派な書が染め出されました。人々の素朴な願いの結晶である幟旗は、江戸庶民文化の豊かさを表すものでもありました。本展は近世の幟旗の豊かな世界を再現し、これまで本格的な絵画史研究の対象となりづらかった幟旗の絵画表現の質の高さを見直そうとするものです。」
庶民文化というのは貴族文化に対するものなのだろうが、浮世絵をはじめとする江戸時代の庶民文化はすばらしいもので、その勢いが伝わってくるような展示となっている。
今Bunkamuraでは30日までコクーン歌舞伎をやっていて、現代の幟旗が並んでいるが、そんな幟旗の並ぶ風景は余り見なくなった。会期は9月13日までで、8月は月曜のみ休館だ。展示室での写真撮影は禁止だといわれたので、美術館の外観のみを掲載する。


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大向区民総合施設(7月7日)

栄通りの松涛郵便局前の信号と、山手通りにぶつかる松涛2丁目の信号とのちょうど中間地点に、渋谷区の大向区民総合施設が建設される旨掲示されている。地上4階地下1階で今年の10月15日着工、完成は来年の11月との記載がある。桜ヶ丘で建設中の地上12階のプラネタリウムもある文化総合施設が平成22年度完成予定となっているので、その一足先に開館することになる可能性もある。
現在渋谷センター街のはずれにある大向区民会館の建て替えということなのだろう。会議室、敬老館、保育園という構成をそのまま移すだけとなりそう。ただ和室が最近の高齢者には使い勝手が悪いとの声があり、そのあたりに変化があるのかどうかが関心の対象となるかもしれない。
周囲の町会には集会場がないので、区民施設ができれば地域の活動も活発化することが期待できる。栄通りの拡張工事は区民施設が完成するころには始まるようだし、ビル建設待ちの土地が何か所もあるので、3年後には随分とちがった風景になるはず。何気なく撮った写真も貴重な街の記録といえよう。


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大向区民総合施設建設用地

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現在の大向区民会館

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松涛で落書き被害(5月20日)

松涛の旧都知事公館から松涛中学にかけての一帯に落書きがされている。先週末に書かれたようだ。落書きは器物損壊で損害が発生するのだが、ひったくりに対する警告が出るような警察の扱いにはなっていない。一般にも犯罪という意識が乏しいようでもある。警視庁の犯罪情報の分類は、ひったくり、侵入窃盗、車上ねらい・自動車盗、オートバイ盗・自転車盗、粗暴犯。だから器物損壊の落書きは取り締まりの対象になりにくいのか。
落書きをされたまま放置しているケースも少なくない。消すには少なくとも塗料代はかかるし、消してもまた書かれるからとあきらめているケースもあるのだろう。自分の家なら落書きをされては困るだろうが、賃貸をしていて、そこに不在のオーナーであれば落書き消しに経費をかけることには躊躇するのかもしれない。集合住宅だと管理組合の支出なのだろう。
落書きを担保する保険もあるらしいが、監視カメラの設置が効果を発揮した事例も近所にある。落書きも街の景観の一つなどとは考えてほしくない。


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松涛美術館で二人展(5月6日)

松涛美術館では5月17日まで、台湾の画家、寥修平・江明賢二人展を開催している。寥修平は1936年生まれ、江明賢は1942年生まれで、共に現在の台湾美術界において指導的立場にある画家という。
寥修平はグラフィックデザインの系統、江明賢は水墨画の技法による台湾の風景建物を描いた作品ということで、2階と地階に分かれた分野の違う作品の展示となっている。
全く予備知識なしに見たのだが、いずれも中国らしさが印象的で新鮮に感じられた。絵画も画家の出身地によって違うのは当たり前のことで、知らなかっただけのことなのだが。

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聖なるエロス(3月26日)

Bunkamuraギャラリーで山本六三展「聖なるエロス」を3月31日まで開催している。
劇画タッチともいえる作品は渋谷の雰囲気に似合うようだが、値段はどれも500万円に近い。東急本店の8階美術画廊で展示されていた二人の作家の作品と較べるとほぼ20倍の値段だった。美術品の価格決定の仕組みは知らないが、本来カネで評価するものではないはずだ。自分なりの評価基準をもって絵を見なくてはいけないのだろうけれど、値札が気になるのは困ったものだ。
結局は好きか嫌いかで、どのような傾向のものが好みなのかということでよいのだろう。値段が高いというのはそれだけ人気があるというより、個性が強くてそのタイプを好む人が少なくても、同様の作品が少なければ需給バランスにより高い価格になるということなのか。
それにしても、山本六三展で展示されている作品を購入した場合、どういう場所に飾るのがその作品に最もふさわしいのかを考えてしまう。公共スペースには刺激が強すぎるようだが。

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アートバザール開催中(1月20日)

1月28日まで、Bunamuraギャラリーでアートバザール2009と題して版画を主体とする作品を販売している。Bunkamuraのエレベーターで映画館のある6階に上がり、そこからエスカレーターで上がったところにある東急本店8階の美術画廊でも、21日までアートバザールと良く似た作品を販売する版画展を開催している。
いずれも有名作家の作品が数多く並んでいるので美術の勉強にはなると同時に、値段を知るにもよい機会となる。作品を見ただけでいくら位と分かる人は専門家なのか。
美術作品の値段がどのようにして決まるのかは知らないが、結局は買い手がいる値段ということになるのだろう。買い手がつかなければ、値段もつかないというわけだ。買い手のつかない価値ある作品を見つけて買い集めるのがコレクターの楽しみの一つかと想像する。使いきれないお金の使い道が美術品収集ということは、世界中いつの時代も変わらないことのようだ。
ともかく買わなくても見るだけなら無料だから、時間が少しでもあるときには立ち寄ってみる価値がある。

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松涛美術館・素朴美の系譜(12月17日)

松涛美術館では1月25日まで、「素朴美の系譜 江戸から大正・昭和へ」と題する企画展を開催している。江戸時代から昭和に至るまでのさまざまな画家の作品を鑑賞することができるのだ。「リアリズムに徹した絵画には求め得ない、日本的な味わいに富んだ絵画」ということで、異なるタイプの作品が並ぶ。「写実を目指さない具象絵画」を素朴画と規定したのだそうだが、いってみればあっさり味の絵ということか。日本人好みということで、その種の絵は現在も少なくないようだ。来週は22日(月)と24日(水)が休館となっている。

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