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尾道の空き家再生から(2025-3-17)

広島県尾道市は瀬戸内海の港町で、その歴史ある街並みは映画のロケにもよく使われています。自動車が通れない山の斜面に住宅が密集していて、独特の景観が観光地としての人気は高いようなのですが、空き家が増えているという状態になっています。尾道旧市街の空き家は、解体すると車の通れる道路がないことから、新しい建物は作れないとか。そこで空き家をそのままの形で再生するというプロジェクトがはじまりました。

 空き家は全国的な課題になっていますが、尾道の瀬戸内海を見下ろす景観や、自動車の通行ができないという独特の街並みが魅力となってか、クリエーターなどの移住希望者が少なくないそうです。尾道の空き家再生プロジェクトでは、市が空き家の解体を税金で行おうとしたのに対して再生を提案し、再生・活用に至ったという例もあります。

 尾道の空き家再生プロジェクトは、昨夜、東大駒場キャンパスの副産物ラボのネット配信で、多くの写真とともに空き家を再生した現のお宅で開催されたセミナーを聴講して知ることができました。

 駒場周辺にも空き家が多く課題になっているようですが、旧都立芸術高校校舎がその典型でしょうか。駒場東大前駅西口の空き地となっている国有地も課題です。「空き地にしておくのはもったいない、早く国庫にカネをいれろ!」との意見もあるでしょう。住民アンケートでは「スーパーがほしい!」という要望が一番多いようです。渋谷では再開発ということで建物が次々に壊されています。

 一方では、2040年には生産労働人口が現在の8割になるという現実があり、設備の維持をする労働力も課題になります。建物を多くつくることは、それだけ維持管理のための労働力が必要になることは明らかです。土地の経済効率を考えると最大限の建築面積の建物をつくることがよいことになりますが、それはその面積を見込んだ価格で利用する人があってのことです。その増えた建築面積の維持管理を少なくなる労働人口でまかなえるのかどうか。

 そんな中、国までが国有地の目先の地代収入の多寡しか考えられなくなってよいものか。とはいえ、国は民意によって動くはずのものです。その民意が全国的に縮小傾向にあるスーパーが欲しい、という結論にはなってほしくないのですが。

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