広域渋谷圏まちづくり(2023-6-24)
広域渋谷圏とは東急グループが提唱するで、渋谷駅から2.5キロの範囲の地域。恵比寿、原宿、表参道、代官山、中目黒を含む。行政区域として渋谷区が主体となるが、港区や目黒区に属する地域も含まれることになる。
地域社会は行政サービスの関係上、通常区単位となるが、住民の日常生活には区界はほとんど意味がない。たとえば、目黒区駒場という地域が、目黒区にあると認識している人は目黒区民でも少数派のようである。そして駒場が広域渋谷圏に含まれることは確かである。
「世界初、東急不動産とNTTグループ 広域渋谷圏まちづくりへのIOWN先行導入」という記者発表が今月7日にされた。
そのイメージは、①働く場所に縛られない次世代オフィステナント、②最新技術の粋を凝らした次世代商業フロア、③次世代サービスが身近になった暮らし、というものであるが、具体的なものは始まらないと分からない。
IOWNとはInnovative Optical and Wireless Networkの略で、光信号と電気信号を融合する光電融合技術で、コンピューターの電力使用量を100分の1にすることができるという。
構想の実現は2030年とされるが、その先行導入を広域渋谷圏で行うのである。その一歩が東急不動産のプロジェクトで、12月にオープン予定のShibuya Sakura Stageで始まるようだ。「自分らしく働き、多様なエンターテイメントを楽しみ、刺激と憩いの溢れる便利なまちに住まう」環境負荷の小さい渋谷型都市ライフをめざすものである。
広域渋谷圏には東大駒場キャンパスも含まれる。そうでなくとも生産技術研究所や先端科学研究所は何らかの形でこれに参加するものと思われる。この地域で事業活動をする人や、医療・介護に係る人たちなども参画できるようになるのだろうか。
世界初の実験が成功するか否かは日本全体の浮沈にかかわる、といえば大げさだろうが、なぜかそんな気もするのである。