駒場住宅跡地整備計画に対する意見―3(2022-9-10)
<建築主:住友商事の不動産事業>
―土地の歴史や住民の思いに敬意を払うー
不動産が開発されるエリアは、土地ごとに歴史や文化が異なります。その場所が持つ個性やそこに暮らす人々の思いに敬意を払いながら、地域住民とコミュニケーションを取り続けるのが、当社の不動産事業の変わらない姿勢です。当社における最も地道で、最も地に足の着いたビジネスの一つ。それが不動産事業であると言ってもいいかもしれません。
これは駒場住宅跡地(北側敷地)を整備することになった、住友商事株式会社のホームページの中、不動産事業紹介での一節。9月4日の駒場小学校での住民説明会の中で出された質問を目黒区都市整備課街づくり調整係にて集約し、次回の説明会で報告するとされているが、それが上記の会社方針に反することはないものと信じたい。
住友商事の提案の骨子は有料老人ホーム、学生寮、それとスーパーである。他にもいくつかの機能を織り込んでいるが、床面積ではその3つで90%を超えるのではないか。国への年額支払い料3億8760万円に加え、建設費の減価償却、維持管理費等をそれぞれのテナントからの収入で賄うことになる。
住友商事の2021年度の利益は4637億円。全社6事業部門からなり、その一つである生活不動産部門の「国内不動産SBU・海外不動産SBU」の中の、住宅施設ビジネスラインが駒場住宅跡地(北側敷地)整備計画を担当すると思われる。(SBUとはStrategic Business Unit)
同社の昨年12月の事業部門説明会資料によると、住宅施設ビジネスラインの今後の対応は、現状維持で、分譲マンション事業は販売単価下落バッファーを見込み、学生寮、老人ホームなども含めた多様なアセットポートフォリオを構築としてある。
また、国内不動産SBU・海外不動産SBUの2021年度純利益は390億円、2022年度には400億円レベルと見込んでいる。
駒場のプロジェクトは、住宅施設ビジネスラインの多様なアセットポートフォリオ構築の一環であろうが、それを単に利益をあげるためのものと考えるのが、住友商事全社の長期戦略に役立てる場とするのか。関東財務局との契約の中で検討の余地はあるのではないかと思われる。
次回以降、その点についての意見を述べることにする。
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