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2022年7月

渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト始動(2022-7-21)

現在東急本店のある土地が再開発され、2027年度に竣工するとして、その概要が発表された。東急本店は2023年1月末で閉店となり、Bunkamuraも4月からオーチャードホールを除き改装のため休館となる。

渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクトの名称で発表された内容はリテール、ホテル、レジデンス等からなる地上36階のビルができるということ。それがいかに素晴らしいものかをアピールするのは当然のこととはいえ、その完成を楽しみにするより、現在あるものが失われることに落胆する人の方が多いだろう。

東急本店とBunkamuraがなくなることで、特に食品売り場と、最大規模の書店がなくなることによる不便さを懸念する声は出ている。松濤文化村通りへの人流は間違いなく減る。

当面、5年後の完成像より、失うものをどう代替できるのかが課題となろう。渋谷駅そのものも2027年の完成まで不便な状態が続き、この時期に渋谷駅を利用せざるを得ない人たちにとっては、渋谷のイメージは最悪かもしれない。

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目黒区の参議院選挙(2022-7-11)

参議院選挙の目黒区での開票結果を見ると、東京都あるいは全国と比べ、得票の傾向はほぼ一致するものの、東京選挙区で見ると、海老沢由紀(維新)が目黒区で4番目の得票数であったのに落選し、7番目の得票数の生稲晃子(自民)が当選した。

比例代表では自民、維新、立民、共産、公明、国民、れいわ、参政、N党、社民の順で、全国と比較すると、上位3党は同順で、以下、公明、共産、国民、れいわ、参政、社民、N党なので、公明と共産、社民とN党が逆になっている。

いずれにしても、維新が立民を上回り、参政、N党が躍進している。

目黒区の前回の選挙である2021年衆議院選挙の目黒区での比例得票数と、今回の選挙の比例代表党派別得票数を比較すると以下の通りとなる。

         2021年 2022

自民:42,15342,519

立民:29,39418,171

維新:21,33320,240

共産:13,10811,860

公明:11,1479,537

れいわ:8,1668,739

国民: 6,831 9,199

N党:1,8824,225

社民:1,7093,621

参政:      0 4,951

総数:136,633134,598

 社民が伸びたのは、立民支持者が社民の存続のために支援したということだろうか。
来年4月には目黒区議選がある。れいわ、N党、参政党の動きは注目したい。

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100年後にも残したい景観(2022-7-7)

100年以上前に誕生し、これから100年後にも残したい景観というのは、それほど多くはあるまい。井の頭線の駒場東大前駅を出て、吉祥寺方面に向かう電車の左側にすぐ見えてくる駒場野公園のケルネル田んぼはその一つである。できたのは今から140年も昔の1880年頃のようで、駒場農学校の敷地に、我が国最初の試験田として誕生した。群馬県出身の農業家で教官に抜擢された船津伝治平(在任1878年~85年)と、ドイツ人教師オスカー・ケルネル(在任1881年~92年)が関わっていて、水田土壌やイネ作肥料の研究で功績のあったケルネルの名前をとってケルネル田んぼと呼ばれるようになった。当時は周囲一帯が実験農場だったのだろう。

駒場農学校は時代を経て東京帝国大学農学部となり、1935年にそのキャンパスが本郷に移っても、付属農業教員養成所が東京農業教育専門学校となってそのまま駒場に残り、それが1949年に東京教育大学農学部となった。1947年には東京農業教育専門学校付属駒場中高校が設立され、ケルネル田んぼを水田学習の場とし、それ以来、学校の名称は変わっても、現在の筑波大学付属駒場中高校にその伝統が引き継がれている。

 そのケルネル田んぼが将来に向けて大規模の改修の必要が出てきている。そのため、総額5400万円が必要とのことで、筑波大付属駒場中高校がクラウドファンディングで7月末まで募金活動をしている。これまで2900万円の寄付が集まっているが、道半ば、というところか。

 学校の水田学習の場と同時に、農学遺産として後世に残せるようにしたいとの趣旨であり、学校関係者からの寄付を期待しているようである。しかし、それだけではなく、東京の中での守りたい景観としてかけがいのないものなので、学校の農業学習の場を守るという趣旨にとどまらずに、地域社会はもとより、広い範囲からの寄付を得て、クラウドファンディングの目標額が達成することが望まれる。

 

駒場農学レガシー,ケルネル水田を未来に継承するために(筑波大学附属駒場中高等学校 2022/06/06 公開) - クラウドファンディング READYFOR

 

 

 

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2年後の渋谷(2022-7-5)

今から2年後、2024年7月の渋谷には、3年前の2019年から現在までにあったのと同様の変化がみられる。

 渋谷駅の南側で現在工事中の高層ビルが完成し、地下2階から地上5階までが商業施設になっている。このビルからJRの線路をまたいで渋谷ストリームの3階につながり、そこから2階に降りて渋谷スクランブルスクエア東棟、ヒカリエへとデッキで歩けることになる。現在完成している246を跨ぐデッキでフクラスとつながり、既存の仮設デッキで渋谷マークシティにも行ける。

スクランブル交差点側では、長い間渋谷のランドマーク的な存在であった東急東横店の解体が終わっていて、2027年度完成に向けての工事の準備が始まっているところだろうか。西口のバスターミナルは現状通りの仮の姿。一方東口のバスターミナルは完成しているのではないか。

 東急東横店の解体時期に合せるかのように2023年4月からはじまりそうな東急本店の解体工事も今から2年後にはほぼ終了し、その後の計画も発表されているはず。隣接するBunkamuraは大規模改修で休館中となる。

その手前には2023年9月にオープン予定の道玄坂2丁目プロジェクトと呼ばれる再開発事業がある。店舗、事務所、ホテルの構成で、表通りとなる文化村通りに面する部分が少なく、高低差もある複雑な地形を生かしたものになるようだ。百軒店商店街、ラブホテル街、ライブハウス街にもつながり、神泉駅に至るまで、2年後には、渋谷を代表する不思議で魅力的なエリアとして広く知られるようになるだろう。

 更に、道玄坂では、渋谷マークシティとの間にある大小いくつものビルの解体工事が2年後には終わっていて、広い面積の跡地が塀に囲まれた工事現場になっている。そこには、2027年3月開業予定で地上11階建ホテルと、地上30階建のオフィス棟が並び、その間に広場ができる。それに先立ち、道玄坂の街並みも変わり始まりそうな気配である。

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3年前の渋谷駅(2022-7-4)

3年前というのは2019年7月。その時点での渋谷駅がどんなものであったかを回想してみる。それ以前に渋谷駅を利用したことがあり、最近の渋谷駅を知らない人に、現在の状態はどう見えるのだろうか。

まず、埼京線・湘南新宿ラインのホームがある。現在のように山手線ホームと並んでなく、恵比寿方向にかなり歩かないと乗降ができなかった。飛躍的に便利になっている。

東京メトロ銀座線の駅は、現在解体工事が進んでいる東急東横店のビルの中にあり、井の頭線の改札口との連絡が便利だった。ヒカリエ側に移った新しいホームは井の頭線からはずいぶん遠くなった。

東急東横店も営業していて、フードショーがその地下にあった。東急東横店の外観が、スクランブル交差点から見た渋谷のランドマークといってもよかったろう。スクランブル交差点地下の渋谷地下街は1957年の開業当時の面影を残していた。

山手線の外回りホームの改札口として玉川口があり、これも井の頭線との連絡がよかった。

JRの中央改札と南改札は、工事中の状態ということは変わらないものの、3年前には現在とは違う場所にあった。渋谷スカイの展望台があるスクランブルスクエア東棟と、渋谷東急プラザの入る渋谷フクラスはまだ竣工前である。バスの乗り場は東口も西口もすっかり変わってしまっている。

2019年はコロナ前。スクランブル交差点には外国人が多く、ハチ公の銅像は外国人観光客の撮影スポットになっていた。ハチ公前広場には古い緑色の電車が案内スペースとして置かれていた。

3年間でこんなに変わっても、最終的な姿になるまで、これから5年以上もかかる。いつも違う渋谷駅ではガイドブックも作れないだろう。思い出の渋谷はもうない。

 

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