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目黒区でのオリンピック関連映像が世界に(2021-8-4)

目黒区三田にあるポーランド大使館の映像が世界に発信されている。ベラルーシの陸上選手が帰国を命じられ、亡命を希望したところポーランド政府が受け入れ、目黒区のポーランド大使館の映像が流れたためである。大使館の所在地は目黒区三田で目黒清掃工場のすぐそばにある。羽田空港での保護からポーランド大使館到着、大使館を出発して成田空港に向かうまでの一連の流れは、ベラルーシ関連の重要な事件として、これからも映像や写真で世界中に流れることになりそうだ。

 ベラルーシという国は日本ではなじみがないかもしれないが、今年の5月に国際線旅客機を強制着陸させて乗っていたジャーナリストを逮捕するという事件は記憶に新しいだろう。オリンピック選手の亡命を申請した最中に、ベラルーシュからの亡命者を支援する団体の責任者であるベラルーシ人がウクライナで不審死するという事件が起きている。これは偶然なのかどうか。いずれにしてもベラルーシはこれからどうなるのか。特にEUからは厳しい目で見られている。

 コロナの感染の拡大は日本だけのことではなく、世界各国それぞれ深刻である。オリンピックは平和の祭典ともいわれるが、アフガニスタン、シリア、エチオピアなどの内戦には何の貢献もできない。気候変動による南ヨーロッパの山火事もオリンピックの期間中のその発祥の国を襲う。

 オリンピックの個々の競技種目に感動はあっても、イベント全体についての評価は主催者の期待からは遠くなっているのではないか。世界の距離感の変化、国々の力関係の変化、国という枠組みに対する意識、そんなものが変わって来ていることがあるだろう。 東京2020のオリンピックの中で世界の人々に共通して最も記憶に残るのは、目黒区のポーランド大使館を舞台とする亡命劇になるのかも知れない。

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