アフガニスタン情勢について(2021-8-19)
アフガン二スタン情勢についての田中均さんの解説がYuouTubeで公開されている。
https://www.youtube.com/watch?v=UJqkd3cAxJw
これについてこの方面に詳しい友人からコメントがあったので以下に紹介する。
田中さんの話で言えば、米国がアフガンを攻めた際のタリバンの態度は、アルカイダを支援すると言うより、米国に対する無知からどのような結果を招くかを理解せず、ただ同胞のイスラム教徒を異邦人に引き渡すわけにはいかないと言う建前の立場が強かったような気がします。
それに、タリバンは、タジク人を代表するマスード将軍、ウズベク人を代表するドスタム将軍に対してパシュトン人を代表する勢力、いわば住民を基盤として発生した勢力で、根なし草のテロリストが結成したアルカイダやISとはそもそもの出自、起点が異なり、アルカイダやISのようなテロ組織とは協力・支援関係にはならないのではと思われます。
北部同盟のマスード将軍もアルカイダに暗殺されましたし、アフガニスタンの過激勢力はテロ集団とは目指すところが異なっている可能性があります。革命を輸出するかどうかの争いは、ロシア革命のトロッキー、イラン革命のムジャヒディン、キューバ革命のゲバラ等ありますが、一国革命主義が勝つのが殆どです。つまり、西側が恐れているようにタリバンが積極的にテロを輸出する可能性は余り高くないのではと思います。それでも、アフガニスタンが国際テロの温床となれば国際管理(国際共同攻撃)の対象になるでしょうね。
ただ、タリバンはイスラムに基ずく統治を行うと言っており、これが女性の地位等で西洋の価値観と合致しない場合、自分等の人権・民主主義が文明の一番の発展形態と自認する欧米諸国が如何に出るかは分かりません。日本人はどうなのでしょうかね。政府は、西側との連帯上、女性の権利等が認められなければならないと騒ぐでしょうが、世論は女性の地位などにそこまでこだわるか疑問です。
また、今後、中国は積極的に出て来ると思います。歴史上、中国は国内統一を果たすと大概が国外遠征を行い、為政者の権威を誇示しようとしますが、習主席は、既に明の永楽帝の鄭和の遠征をなぞり、南シナ海に版図を広げていますが、次は、漢の武帝の張騫の大月国歴訪をなぞり、アフガニスタンまで勢力圏を広げれば、中国史上最大版図を達成した人物になれます。習主席は文化革命で殆ど基礎的教養を勉強していない人物ですからそんな事を考えていても不思議ではないです。もつとも、アフガンニスタンを押さえたら、北朝鮮、韓国は朝貢国になりかけていますし、次は元寇でしょうね。
あと、これは田中さんも言っていましたが、米国そして日本も、西部劇と同じで制限戦争の概念が余りありません。台湾有事でも尖閣有事でもすぐ全面戦争を想定したような議論が行われますが、もっと制限戦争の概念を取り入れる必要がありますね。アフガニスタンでも同じことです。
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