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デジタル社会形成基本法の成立で(2021-5-15)

2001年にIT基本法が施行され、それから20年経った今月の12日、デジタル社会形成基本法が成立した。9月1日からの施行となり、それと同時にIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)は廃止される。

保健所のデータ集約や給付金の支給など、コロナ禍での対応のまずさが「デジタル敗戦」として見られ、データ庁を創設してこれまでの行政サービスの見直しが行われるわけである。

 2001年の「e-Japan戦略」や2013年の「世界最先端IT国家創造宣言」と政府はデジタル化の推進を図ってきたのであるが、そこに対する国民の期待が乏しかったことが、世界から見て遅れてしまったという事態を招いたとみられている。縦割り行政の弊害もあったのだろうが、それにしてものことである。

 国民の期待というのは、まず住民としての行政サービスへの期待であり、基礎自治体に対する要望が強くなかったということではないか。例えば、目黒区では電話とFAXによる行政サービスへの申し込みが、電子メールやLINEの普及にもかかわらず基本であったのが、今回の新型コロナウイルスワクチン接種の申し込みについてはようやくLINEまたはコールセンターへの電話での受付となったばかりだ。

 この20年を振り返ると、何が日本のデジタル敗戦をもたらしたが見えてくるかも知れない。結局、すべてデジタル化することは、これまでのやり方を変えることになるので、それが面倒だし金もかかる。そして何よりも、通常、電話でコミュニケーションをし、紙に書類に慣れている人たちが、デジタル化への抵抗があったからであろう。

 かつて、情報弱者という言葉があった。パソコンを使えないでインターネットの情報を得られない人、という意味である。一方で、インターネットの情報は偏っている。やっぱり新聞でしょう、と、今でも信じている高齢者は多い。オンライン振込をしているのは何歳以下から普通なのか、ということも興味深い。

 それでもスマホは高齢者にも普及しはじめている。しかし、デジタル機器の使用と、その活用レベルは一様ではない。高齢者はプライドがあっていろいろ聞けないということもあるようだ。

 国の存亡がかかっているといっても大げさではないのだろうが、デジタルは目に見えないものだけに、その意味が分かりにくいことが課題である。

 

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