« デジタル社会形成基本法の成立で(2021-5-15) | トップページ | 駒場インターネットクラブを振り返る(2021-5-17) »

シルバーDX人材はボランティアで(2021-5-16)

デジタル社会形成基本法の成立は、それにより廃止されるIT基本法が、20年前に施行されてからのことを思い出させる。1990年代後半のIT革命の衝撃だろうか、2000年代前半には、インターネットの活用ということで、世の中で広く話題になっていた。とはいえ、その後もアナログ・デジタル併存で、FAX利用などからの切り替えも進まなかった。

 そんな中、2002年に駒場インターネットクラブが発足し、高齢者によるボランティア活動により、近隣の方に当初は無償でパソコンを教える活動をはじめた。似たような動きは各地でも見られた。

 それから20年たって、情報機器の主役がパソコンからスマホになり、インターネットの利用が飛躍的に伸びたものの、社会のデジタル化の進展は、世界から見ると遅れてしまったとされる。デジタル化しなくても問題ないような社会の設計になっていて、国民の大勢はそれに不便を感じなかったからであろう。公共施設の予約をオンラインでするようになった時も反発の方が多かったかも知れない。

 昨年12月に経済産業省は企業を対象とする「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート2」を、総務省は「自治体DX推進計画概要」と題する報告書を発表している。

経産省は企業にDX人材、総務省は自治体にデジタル人材を必要とするのだが、経産省はDX人材を次のように定義している。

・・・自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材。

 総務省の管轄となる地方自治体は、企業とは違い、「実現に向けた明確なビジョンを描くことができる」のは国全体でのこということになるのか。自治体ごとにシステムがバラバラではまずいので、DX人材ではなくデジタル人材ということになるのだろう。とはいえ、住民からすれば、デジタル化によりどのような自分の地域の行政手続きが変えられるのか、あるいは変えるべきかは知っておいた方よい。

 総務省予算として、地域デジタル社会形成に向けての予算がつけられている。

「デジタル化によるメリットを享受できる地域社会のデジタル化を集中的に推進するため、新たに「地域デジタル社会推進費(仮称)」2000億円を計上(20212022年度 うち、道府県分800億円程度、市町村分 1,200億円程度)」という内容。

 予算の執行については、IT基本法により、2001年から税金を使った成果の反省を踏まえるべきであり、その経過を見て来たシルバー世代が、ボランティアで基礎自治体の議員に提言していくとよいだろう。シルバー世代にはデジタル技術に30年以上前から親しんでいる人も多いし、自治体の課題に詳しい人もいる。有償で委託するとなると手続きなどの手間がかかるし、対価があるとその多寡が気になるものである。オンラインでできることだから交通費もいらず、予算は不要である。

 そんなシルバーDX人材は自治体の議員が集めればよい。ボランティアが複数の議員に提言するのもありだろうし、ボランティア同士で意見交換するのもよい。

 2001年にはLINEZoomもブログすらなかった。情報技術は進んでも、その活用ができないために、享受できるはずの恩恵が受けられない。行政に提出しなければならない申請書など、合理化要請はこまめにしていくようにしたい。

 現在のやり方を変えることは面倒だろうが、長い目で見て、これ以上引き延ばせないものが多い。会議室を使わなくてもできるオンライン会議などで、課題の共有ができるようになったことの意義は大きい。

 デジタルデバイドを避けたいということが優先される余り、これまで情報化が遅れて来たとも思われる。地域住民の声を集約するのは、選挙で選ばれた議員の仕事である。議員がアナログな人たちと、デジタルな人たちの通訳ができるようになるのもよいかも知れない。

 いずれにしても2025年までには結果を出さなければならない。その進捗状況を公開し、評価する体制も必要であろう。報酬つきの有識者会議は、議員のチームからの意見を踏まえたものであってほしい。

|

« デジタル社会形成基本法の成立で(2021-5-15) | トップページ | 駒場インターネットクラブを振り返る(2021-5-17) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« デジタル社会形成基本法の成立で(2021-5-15) | トップページ | 駒場インターネットクラブを振り返る(2021-5-17) »