30年前の渋谷(20-10-15)
今から30年前というのは1990年。その年10歳だった人は今年40歳。40歳だった人が70歳になっている。昔の渋谷といっても、その人によりいつのことかが違うのだろうが、30年前というのは平均的なところかもしれない。
その頃の世の中、電話といえば卓上や電話ボックスの中にあるもので、テレビや新聞がニュースを提供していた。ファックスが登場していて、DM替わりに使われるようにもなっていた。携帯電話もパソコンもなく、印刷機能のあるワープロが使われはじめたころである。そうした中で日本経済はバブル景気の頂点にあったともいえよう。
Bunkamuraが1989年に開業しているが、繁華街として賑わっていたのはセンター街から公園通りにかけて。チーマーやコギャルの存在が目立ち、ライブハウスの誕生と共に、若者限定の街のような渋谷イメージができあがった。
渋谷駅周辺には、東急東横店東館・西館・南館、東急文化会館、東急プラザがあり、東横線の駅は地上で、井の頭線ホームと銀座線車庫の間にはバス専用の道路があった。この当時はオフィスビルの数は限られ、外国人観光客はほとんどなかったといってもよいだろう。
1994年の渋谷マークシティ着工から、2027年まで続く渋谷再開発。30年前の景観とそこに集う人たちの姿が、渋谷の原風景といってよいのではないだろうか。それ以上歴史を遡ると、頭の整理がつかなくなりそうである。