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2020年9月

目黒区のデジタル対応 その2(20-9-22)

引き続き、目黒区のデジタル化について。定例会での代表質問と区長のやりとりを見ると、区長はデジタル敗戦は認めない立場のようであるが、残念ながらこれが多数の区民の意識なのだろう。今の政府の動きは、マスメディアは自分の存在価値を問われることにもなりかねないからどう扱うか苦慮しているかもしれない。国民=区民の意識を変えることができるかどうかが課題なのだが。「様々な視点を踏まえて検討する」という答弁は、何もしないことを意味する慣用句と理解されるのが一般的である。

代表質問 小野瀬区議

 圧倒的なアナログ体質からの脱却についてです。

 今回の所信表明では、国や東京都のソサエティ5.0への言及がなされ、我が区もこれらのサイバーとフィジカルの融合した未来社会への対応にかじを切るような表記がありますが、他方、区政の最高責任者である青木区長は、自らがガラケーの使用者であり、自身からの情報発信を拒否している状態はソサエティ4.0の情報社会にも到達していない状況であると考えられます。

 私は、どちらかといえば、電子社会弱者への配慮を考える人間ですが、個人の通信方法選択は二の次にしても、そしてトップが苦手であっても、専門分野の立ち上げや理解を示す環境こそが、AI、ロボットやIoT、ビッグデータの活用を進め、区内の東大、東工大などといった産学官との巧みな連携を踏まえた、東京都の5G計画への率先先進区を目指すべきと考えますが、その気概はないか、お尋ねをいたします。

区長答弁

 圧倒的なアナログ体質からの脱却についてでございますが、第2点目でも申し上げたとおり、ICTは、我々の想像をはるかに超えるスピードで進化している状況にございます。

 本区においても、事務の効率化、職員負担の軽減の観点から、昨年、RPA、ロボティック・プロセス・オートメーション、AI-OCR、アーティフィシャル・インテリジェンス・オプティカル・キャラクター・リーダー、AIチャットボットの実証実験を進めてきたところでございます。

 本区といたしましても、今後の人口減少社会を見据えて、人材確保がより難しくなることが想定される中で、ICTを活用した業務の効率化は、非常に重要な課題として認識しているところでございます。

 令和2年度においても、引き続き実証実験に取り組むため、全庁的に取組意向調査を行っており、現時点で昨年を超える業務改善の申出があり、組織としては圧倒的なアナログ体質に浸っているという認識は、私は持ってございません。

 今回の所信表明の中で、ソサエティ5.0について言及をさせていただきましたが、私は、国、東京都に追随すべきということではなく、国がやるべきこと、都がやるべきこと、目黒区がやるべきことをきちんと整理した上で、基礎自治体として区民福祉の向上に向けて取り組むべきものは何かを考えていくことが重要との認識でございます。

 東京都の5G、ファイブ・ジェネレーション計画については、現在の情報通信量の100倍の高速通信網を積極的に整備し、車の自動運転や教育への活用、遠隔医療の実現などを目指して取組を推進するというものでございまして、こうした社会が実現することで、我々の生活環境が、これまでとは一変することになります。

 区としても、そうした社会状況の変化に適切に対応するために、検討を進めていくべき課題であると考えているところでございます。

 東京都の取組も緒に就いたところであり、区としてどのような連携を図っていくかについては、今後の情報政策の在り方、業務改善に向けた取組の方向など、様々な視点を踏まえて検討を進めてまいりたいと存じます。
 

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目黒区のデジタル対応 (20-9-22)

菅内閣が発足してからデジタル敗戦ということばが公式に使われ、デジタル庁の創設に向けて動き出している。

目黒区はどうなのかと、目黒区議会会議閲覧・検索システムで「オンライン化」というキーワードで検索したところ、2月20日の定例会での西崎区議の質問と区長の応答を見ることができた。この定例会ではこの件で他にも議論がされており、市区町村レベルでの実現が国の課題なので、このブログで整理しておく。

西崎区議質問

もはやICT化、そしてスマート自治体への波は避けて通れないものとなっていますし、それは昨日、一昨日の所信表明及び代表質問の議論の中でも、より明らかとなりました。

 本区においてもRPAやAIの実証実験が行われ、さらに拡大する方向性が示されているところですが、これは今後のスマート自治体を考えたときのほんの一部分であり、ほかにも様々な準備が必要になると思われますが、そうした機運が本区において高まっている様子は感じられません。

 ただ一言で準備と言っても漠然とし過ぎているので、ここでは3つの例を挙げさせていただきます。

 まずは、昨年2019年5月に成立したデジタル手続法、これは行政のデジタル化に関する基本原則や施策を定めたもので、地方自治体にとっては努力義務ではありますが、行政手続の原則オンライン実施が規定されています。

 次に、同月に公表された総務省のスマート自治体研究会の報告書、こちらはより具体的にスマート自治体に向けたプロセスを提示したもので、システムの標準化やペーパーレス化などが方策として示されています。

 最後に、地方公共団体におけるオンライン利用促進指針、こちらは2018年5月に改定されていますが、その名のとおり、自治体におけるオンライン利用を促すため、新旧合わせて34項目の手続を促進対象として示しているもので、道路占用許可や後援名義の申請、児童手当の現況届などが挙げられています。

 このようにすぐに取り組めそうなもの、時間を要しそうなものなど、多岐にわたりますが、国からも多くの法令や指針が示されていることが分かります。もちろんデジタルディバイドへの対応は欠かせませんし、どの業務をICT化し、どの業務を人に任せるかの整理など、慎重を期すべき側面があるのも事実です。

 一方で、明日から突然既存の事務事業の方法を変更できるわけもなく、今からスマート自治体に向けた準備を進めておくことは必要であると思います。

区長答弁

 スマート自治体に向けてどう取り組むかについてでございますが、スマート自治体とは、人口減少社会の到来を踏まえ、ICTの活用により、行政手続等が簡単に電子で完結するなど、住民の利便性が向上するとともに、職員は人間にしかできない仕事に注力して、サービスの価値を高めていく自治体像であると認識しております。

 それを実現する法的整備として、令和元年5月31日に情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律、いわゆるデジタル手続法が公布され、地方公共団体の行政手続をオンライン化することを努力義務として、デジタル3原則として、個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結するデジタルファースト、一度提出した情報は二度提出することが不要とするワンスオンリー、民間サービスを含め複数の手続・サービスをワンストップで実現するコネクテッド・ワンストップの旨が掲げられております。

 これを受けて、令和元年12月20日付で閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画においては、必要なサービスが時間と場所を問わず、最適な形で受けられる社会や、官民を問わず、データやサービスが有機的に連携し、新たなイノベーションを創発する社会を目指して、国の行政機関等の情報システムに関する様々な事項が定められているとともに、地方公共団体のオンライン化の支援なども掲げられているところでございます。

 今般の法改正や国の計画等を踏まえた本区としての取組についてでございますが、区民サービスの向上や行政運営の効率化のために、どのような業務がICTの活用やオンライン化に適しているのか、効果や課題は何かなどを総合的かつ主体的に考え、必要であれば、業務の在り方も含めて見直す取組を積極的に行うことが重要であると認識しており、国や都の動向を把握するとともに、先進自治体の取組を大いに参考にさせていただき、ICTの急速な変化を踏まえて、技術的な情報を事業者などから直接収集するといったことも進めてまいります。

 行政手続のデジタル化に取り組むに当たっては、オンライン上での本人確認を厳格に行うことがセキュリティーの確保の上で重要でございます。本人確認のための公的な手段として整備されているのがマイナンバーカードでございますので、本区としても、マイナンバーカード交付円滑化の取組を進めるため、窓口体制の整備、拡充などを図ってまいります。

 また、東京電子自治体共同運営により、電子申請サービスを提供しておりますが、これと併せて、来年度には政府が運営するオンラインサービスであるマイナポータルの「ぴったりサービス」を利用した子育て分野におけるオンライン申請の活用を図っていくなど、区民サービスのさらなる向上に取り組んでまいります。

 行政運営の効率化に関しましては、今年度に機械にできることは機械にやらせることで、業務改善を行う、RPAやAI-OCR、AIチャットボットの技術実証実験を行いました。来年度に向けて、庁内で意向調査を行ったところ、現状で既に各所管から昨年をはるかに超える数の申出がございましたので、方向性を広げて取り組んでまいります。

 引き続き、適正な個人認証などによるセキュリティーの確保に留意しつつ、区民の利便性の向上、行政運営の一層の効率化を目指しながら、急速なICTの進展を踏まえて、国や都の動向を注視するとともに、先行自治体の研究を行い、限られた人員を有効に活用し、高度なサービスを提供するスマート自治体の実現に向け取組を進めてまいります。

西崎区議再質問

 情報化推進計画について伺いたいんですが、計画期間が来年までとなっています。実は2年半前にも官民のデータを活用して、新基本計画としての対応についてお聞きしたんですが、当時の御答弁は、おおむね目的にかなっているということでしたが、率直に申し上げて大分異なると思っています。

 先ほど来申し上げているような行政手続の原則オンライン化も含めて、官民データ活用推進基本法の理念を受け止めた体系というのが今後必要になると思っていますし、併せて非常に変化の早い領域でありますので、この中で5か年計画というのは相当無謀な立てつけだと思っているんですが、そうしたところも含めて、この情報化推進計画の改定を控えての所見を伺いたいと思います。

区長 

 情報化推進計画と、それから官民データの活用推進計画、それぞれお話が出たところでございます。私自身の考え方、2つあろうかというふうに思います。

 まず、情報化推進計画は来年度改定していきます。私ども計画が数年単位でやっている間に、とにかくICTは日進月歩です。今日でき上がった計画が、もう明日はアウトオブデートになっているという時代が繰り返されています。ですから、少なくとも一定のスパンの計画ですから、どうしてもICTがそれを超えていくというのは致し方ないんですが、私ども計画そのものが、逆に言うと具体的にいろんなICT化を進めていく足を引っ張るような計画であっては絶対いけないということが、まず今まだこれから計画なんで、ここで私が詳細を申し上げる時点ではありませんが、大きな考え方として、進める計画が逆に足を引っ張る計画であってはならないというふうに思っているところでございます。

 それから、官民データ推進計画、これはですから今言った情報化推進計画と整合性を合わせてつくっていくのか、それとも計画そのものを一体化していくのか、これもまだ全然分かりませんが、いずれにしてもそれぞれの情報化推進計画が前に前に進んでいく、資するために、この2つの計画をしっかりと私どもとしては考えていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

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渋谷駅終わりのはじまり (20-9-14)

東急東横店西館と南館の解体工事が10月からはじまる。2024年末までの4年にわたる工事である。2027年の竣工に向けて、渋谷スクランブルスクエア西棟と中央棟の建設に向けての準備も行われていることだろう。

東急東横店は3月に閉店したが、地下の食品売り場は残っていた。玉川改札から井の頭線への通路もそのままであった。地下鉄銀座線の新ホームに向かう通路も利用できた。それが今月25日にはすべてなくなる。ついでに1957年に誕生した地下街の『しぶちか』も改装のため来年7月まで閉鎖される。

世界に向けての日本の顔のようになっている渋谷駅前スクランブル交差点の景観が変わってしまう。新しい顔の誕生は2027年末。これから7年もの期間、渋谷駅の顔は定まらない。コロナで観光客はいなくなったが、暫定的な渋谷駅の顔がどのようになるのか。

渋谷駅を日常利用している人たちにとっては、不便なだけなのか。あるいは、工事の進捗状況をエンタテイメントとして見せることができるのか。

いずれにしても、これまでの渋谷イメージの終わりのはじまりとはいえないだろうか。

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東京の観光振興を考える有識者会議 (20-9-9)

東京都産業労働局の主催する表題会議が、9月9日15時から16時までの1時間、小池知事の出席のもとに開催されオンラインで生中継された。コロナの影響でインバウンド客が壊滅状態になった観光業をこれからどうするか、という内容である。

コロナが終わってから日本に観光旅行に行きたいという海外のニーズもあり、V字型の回復は来年以降に期待されるものの、当面は国内の旅行需要をどれだけ取り込むかということになる。課題の一つとして、現在一部の地方で見られる「東京からの来訪者お断り」のような偏見をなくすことがあり、コロナのために海外からのお客さんを差別するようなことのないように啓蒙しなければならないということが挙げられた。

インバウンド客のない今、空いているのがよいという気分もある。交通機関や映画館などでも、隣の席が空いているのはよいものとの感想もあるだろうから、静かになった街がまた混雑することは歓迎しない人も少なくあるまい。

同時に国内の旅行を喚起するような情報発信の重要性も指摘された。「オンライン東京ツアー」という言葉もあったが、これはTABICAなどですでに行われており、このブログの筆者もそうしたオンラインでの渋谷ガイドツアーを実施している。そうした試みにも注目してもらいたい。

観光についてのみならず、こうした公的な会議は一般に公開されるようになるだろう。それにより、主催者が多くの意見を吸収しやすくなると共に、行政の動きを直接知ることで、それに素早く対応することもできるようになる。そのチャンスを有効に活用できるようにしたい。

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