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駒場の重要文化財-4(2018-6-5)

文化財は観光の対象ともなるが、その文化的価値を伝えることができてこそ、文化財としての意味がある。一方で、観光の対象としての評価が乏しいと、文化的価値に目をつけてもらえない。重要文化財旧前田家本邸は、東京大学の2つのキャンパスに囲まれた閑静な住宅地の中にあり、駅からも離れているので気づかれにくいということもあるだろう。

そして、旧前田家本邸ということで、何かの意味を感じてもらえるのか。たとえば、吉良上野介屋敷跡というと、いかにも観光資源といえるのであろうが、旧前田家本邸が加賀百万石の殿様の子孫の邸宅、ということだけで訪れてみたいと思うものだろうか。

使用人の数が136人もあったという昭和初期の侯爵家の邸宅であること。それを構想した前田利為侯爵の人物像と、現在にその技を残した建築家や職人たちの作品を見ることに価値があるといえるのだろう。
特に、前田利為侯爵の昭和史における位置づけを知ることで、戦時における政府首脳の意思決定の過程が見えてくるようでもあり、そこに他にはない魅力を感ずる。

目黒区立の公園にある国の重要文化財は、これまで忌避していたかもしれない時代の空気に改めて触れ、そして深く考える場になってほしい。

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