平昌オリンピック開会式の技術(2018-2-11)
2月9日に行われた平昌オリンピックの開会式。韓国・北朝鮮の接近と日本・アメリカの対応、あるいは、トンガの代表の上半身裸での行進がニュースになっているようではあるが、今回の開会式がオリンピック史上画期的ともいえる演出であったのではないかと注目している。
「映像の世紀」から「魔法の世紀」への転換を目に見える形にしていたからである。
「映像の時代に不可能だった物理的な干渉を起こし、容易に使え、精緻な結果をもたらす。それによる恩恵はまるで奇跡のように鮮やかであること。そしてその変化の速度はあまりに速く、その制御機構はあまりに難解なため、そこにある仕組みを理解するには難しく、一部の修練された人間にしか理解できないということ。日常にもたらされる奇跡とブラックボックス化の断絶が今後ますます、様々な社会変化をもたらすだろう。」(落合陽一『超AI時代の生存戦略』から)
この文章自体も難解ではあるが、この開会式の映像をビデオで見直すときの参考情報になりそうである。
光の波が重なりあって新しい波が生まれ、観客席全体に配置されたLEDパネルが揺れ動く。その動きとフィールドの光との連動。そして1218台の光るドローンがスタジアムから鳩の形で飛び立ち、五輪のマークを夜空に描くという、魔法としかいえないような演出。1218台ものドローンが絵を描きながらぶつかることなく空に舞う制御技術がどのようなものかを語れる人がどれだけいるものなのか。
ここで垣間見ることのできた技術は、これから日常生活の様々な場面に使われるようになるはず。「魔法の世紀」への突入を実感させるような開会式であった。
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