« 2017年8月 | トップページ | 2017年10月 »

2017年9月

万葉集で学ぶ日本の歴史(2017-9-23)

駒場4丁目、駒場公園の北側に接する住宅をレンタルスペースにした「こまばサロン暖炉」を会場にして、毎月第4金曜日の夜『万葉集講座』が開催されている。

講座は歌の前提となる時代背景の説明から入る。万葉集が編纂された8世紀の奈良時代を現代とし、7世紀の飛鳥時代を近代の記憶として詠まれていたという。ここでは古代日本の姿を、歌に込められたことばの中から読みとるのである。古代日本は21世紀の今とはあらゆることが違っていた。それでも共感を覚える何かがある。1350年前の日本語が今でもほとんどそのまま通じることも知らされるのである。

講師の武市香織さんは万葉集の研究者で、大学などでの講師をつとめているが、その語り口には聴くものを飽きさせないリズムがあって心地よい。サロンという雰囲気の中での講義は、日本の歴史に少しでも関心があれば十分に楽しめるだろう。

万葉集の時代で最大の事件は672年に起きた壬申の乱という。次回10月27(金)からいよいよその時代に入る。

19時から21時までの2時間、お茶とお菓子を味わいながら気軽に質問もできる。
料金は1回ごとに1500円。予約はメールでinfo@danrokomaba.com まで。

170923


| | コメント (0)

渋谷だけの北欧ビール(2017-9-13)

渋谷センター街や文化村通りを歩く外国人が目立つ。外国人とは一見ではわかりにくい韓国・中国・台湾・香港からの旅行者数が、統計上では訪日外国人の4分の3を占めることを考えると、歩いている人の過半数が外国人なのかも知れない。メガドンキに行くと中国人らしき客の多いことがことばでわかり、その対応のためのであろう、レジ担当の3分の2は中国語圏出身の人のようである。国際観光都市を目指すなら、そうでなくてはなるまい。

東京には外国人が多く集まる飲食店がエリアごとにあるようだが、渋谷にもアジアのさまざまな国の人が経営する飲食店が以前からある。そんな中でも北欧のデンマークとノルウェーでスタートした小規模のビールメーカーが今年渋谷に進出したことには注目したい。

そのひとつはOL。北欧のことばでビールを意味するらしい。ノルウェーのOslobrewing Companyという2015年に創設された会社の直営店で、ノルウェーの首都オスロと渋谷にだけ店がある。場所は渋谷センター街バスケットボールストリートを神山町に向かって進む宇田川暗渠の道筋。その先には、やはりオスロが本拠のコーヒー店FUGURENがある。
170913_1

もう一つのミッケラーはデンマークで2006年に創業。創業者は数学と物理の教師とジャーナリストの二人という。現在は世界12都市でバーを出店している。渋谷の百軒店に日本では初めての店を出したのは今年の春である。

170913_2

いずれの店でも日本産の地ビールとも呼ばれるクラフトビールを提供する。そしてその場所が表通りではなく、初めてではなかなか分かりにくい狭い道に面していることも共通する。といっても渋谷駅から徒歩10分圏内、東急本店からだといずれも5分以内の距離。渋谷の新しい魅力が生まれるエリアになりそうである。


| | コメント (0)

渋谷の過去と未来(2017-9-9)

渋谷の歴史は電車のターミナルから始まり、繁華街として、買物、飲食、娯楽、文化を楽しむ場所であった。ある時期は日本の流行の先端をいくまちとして見られていたかもしれない。

その延長上で現在の渋谷を評価すると、工事中ということもあり、その魅力が相対的に低下しているとされるのも仕方ないだろう。銀座、日本橋、新宿、池袋、六本木、品川、秋葉原などと、比較してみると現時点では停滞しているようにも見える。どこのまちもそれぞれの特徴を基盤にして発展している中で、渋谷は再開発の真っ最中。パルコがなくなり、東急プラザも渋谷公会堂もいつのまにかなくなってしまった。駅も乗り換えが不便になっていて、利用したくない、という声は少なくない。

しかし、いつも大きく変わるのが渋谷である。山手の買物のまちからいつのまにか若者のまちになった。そしてその中心も動いている。百軒店、道玄坂、中央街、センター街、公園通り、文化村通りと、時代により賑わった場所が違い、どこが渋谷なのか分からない。

では、未来の渋谷がどうなるのか。確実なことのひとつに高層のオフィスビルが増えること。渋谷に高層のオフィスビルができたのは2000年竣工の渋谷マークシティ、2001年のセルリアンタワーから。それ以前のオフィスビルは小型だった。

その後2012年に渋谷ヒカリエがオープンし、その後は2018年秋に渋谷駅の南側で工事中の渋谷ストリームがつづく。2019年には道玄坂上と宇田川町にも高層オフィスビルが竣工して、2020年初頭には渋谷駅周辺最大規模で地上47階の渋谷スクランブルスクエアーと東急プラザ跡に地上18階のビルができる。さらにその後には桜ヶ丘の再開発事業が計画されている。

2020年には高層オフィスビルで働く人の数は現在の3倍に膨らむことだろう。ビジネスでの来街者が増える。そしてその顔ぶれは国際色豊かなものになるはず。

もうひとつ、渋谷の特徴として際立っているのは、高級住宅地が繁華街に隣接していること。宇田川町に建設中の21階建てオフィスビルにも住居フロアができる。更に渋谷公会堂の跡地に2020年9月完成予定とされる地上39階の分譲マンションは渋谷近辺での高級住宅へのニーズを反映しているものといえよう。南平台でも大型のマンション建設がはじまっている。それらへの入居者の外国人比率も気になるところ。

渋谷の未来のキーワードは、オフィス、高級住宅、外国人。商業施設もそれにならうのではないか。「若者のまち渋谷」は若者が多かった時代のことであろう。

Bunkamuraの文化村通り側とオーチャードホール側の違いこそが渋谷のまちの特徴であり、将来も渋谷らしさとなろう。少なくとも東京ではどこにもない街の姿なのである。


170909_11


170909_10


| | コメント (0)

アイドルのスナックが渋谷百軒店にオープン(2017-9-1)

15歳からアイドルグループのウルトラガールズで活躍し、今年からソロでの活動をスタートした川崎芹奈さんが、昭和ムードのスナックを7月からはじめた。店の名前は『ヤングスナック芹奈』。場所は渋谷でももっともディープな百軒店の千代田稲荷神社のすぐそばである。しかもビルの2階なので予備知識なしには入りづらい。ここ百軒店に来て方向感覚を維持できるようになるには、かなりの経験を要するところなのである。
しかし、1階にはデンマークのビール会社によるMikkeller Tokyoが今年オープンしていて、千代田稲荷神社前に来る外国人が劇的に増えてきている。ユーロスペースの映画館ビルから渋谷駅への最短コースが、駐車場奥の階段をあがって千代田稲荷神社前を通るルート。「地理上の発見」が街を変えるかもしれないのだ。
さて『ヤングスナック芹奈』。店の内装はL字型のカウンター席と、2つのテーブル席で、カラオケはないが昭和のスナックを彷彿とさせるもの。芹奈さんがママとして接客をし、料理は男性が裏方として準備する。料理のメニューは限られているので、ツイッターで紹介している日々の内容をチェックするとよい。芹奈さんに限らず、アイドルとは無縁な人でも、ユニークな手作り料理と隠れ家的な場所として利用できるだろう。
この周囲はこの1年で店の入れ替わりが激しくなっているようで、街の雰囲気が変わりつつあることを確認するのもよい。
『ヤングスナック芹奈』ツイッターはこちらから。
https://mobile.twitter.com/ysnack_serina

映像は以下からYouTubeで。

| | コメント (0)

« 2017年8月 | トップページ | 2017年10月 »