インフルエンザ予防接種の無料化はなぜ?(2016-2-28)
目黒区の平成28年度に重点的に取り組む事業の一つとして、75歳以上の高齢者のインフルエンザ予防接種費用無料化があげられている。一部自己負担であったものを全額無料化とするもの(1回目だけなのかどうかは未確認)。そのための予算は4301万円であるが、世田谷区、品川区では無料化していない。全国的にどのようなものか。渋谷区や港区が65歳以上が無料になっているのは、敬老祝い金などで高齢者福祉に手厚い自治体なのでわかるのだが、補助ではなく無料化というのはどれだけ事例があるのだろうか。
2014年7月に発表された論文(日本公衛誌第7号)によると、近年の全国での推計接種率は幼児・高齢者で50%台、一般成人は30%弱、全体では40%程度とのこと。目黒区ではどうなのだろう。
目黒区では75歳以上の住民の数は27,141人。全体では271,556人だからちょうど1割となる。さらに65歳から74歳までが27,223人でこれも1割なので覚えやすい。10年後に対象者が増えることは確実だろうから予算も増やさざるを得ないのか、それともひとりあたりの接種コストが下がることが期待できるのか。インフルエンザの予防が実現できることで、国民健康保険で支払われる医療費が節約できるから、それでよいとの想像もできないではないが、ならば75歳以上とする必要はなかろう。
高度経済成長の時代は過去のものとなった今、さまざまな増税案が議論されている中で、無料化ということに対する反発も少なくないと思うのだが。
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