タブーとしての死と、愛しき人生のつくりかた(2016-2-26)
死の話はタブーとされているらしい。テレビなどで死についての現実を直視すると視聴者からクレームが来たという。穏やかな自然死の権利の話をすると「生きる権利を侵すのか?」との反論を受けたともいわれる。
つい20年前でも、近くに老人病院ができるということで反対運動があったり、最近でも、死、遺体、葬式といった言葉が公共の場で出てくること自体が驚きにもなるとのことを本で読んだ。
死を不浄なものとして嫌悪する社会通念が共有されていたようなのだ。
でも、そんな風潮が変わりつつあるようなのは、死を忌避する意見をいう人たちが高齢化しているからなのか。そういう人たちも死に至る道筋を考えることが避けられなくなっているからなのだろうか。
葬式場面で始まり、葬式場面で終わるフランス映画「愛しき人生のつくりかた」(原題”Les Souvenirs”=思い出)は老人の死に至る道筋をコメディタッチで描いている。パリの葬式では喪服を着ず、若者はジーンズで駆けつけることもあるとも知ったけれど、それだけ葬式がカジュアルなものなのかも知れない。
多死社会に突入する日本。死をタブー化せずに視野に置きながら、愛しき人生をつくることが必要とされるようである。
映画「愛しき人生のつくりかた」はBunkamuraル・シネマで上映中。
http://itoshikijinsei.com/
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