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ヨレヨレからへろへろへ(2015-12-15)

『ヨレヨレ』という雑誌を作っている編集者が『へろへろ』という本を出版した。タイトルでわかるように硬い本ではない。いずれもゲラゲラ笑えるエピソードが満載の内容だ。

『ヨレヨレ』は福岡市にある老人介護施設が発行する2013年12月に創刊された雑誌。「ぼける前に読んでおきたい『宅老所よりあい』のおもしろい雑誌」とうたっている。今月第4号が発売されたという不定期刊行物である。『へろへろ』は、『ヨレヨレ』の舞台である宅老所というデイサービス施設が、特別養護老人ホームを建設することになり、今年の4月1日に開所式を迎えるまでの物語を本にしたものなのだ。

『ヨレヨレ』の編集者で『へろへろ』の著者である鹿子祐文さんは、かつて雑誌『宝島』の編集をしていて、発売禁止覚悟でヘアヌードを初めて掲載したという人物。それだけに本にはマスコミが自主規制している用語が堂々と満載されている。たとえば「ぼけ」。認知症ということばが2004年に作り出されてからなのか、「ぼけ」は差別用語のような扱いを受けているようだ。「ぼけ」は認知症という脳の病気ではなく、加齢による機能低下にすぎないという立場から「ぼけ」にこだわる。

『ヨレヨレ』も『へろへろ』も舞台は『宅老所よりあい』。1991年にスタートしたデイサービスなのだが、その手法は全国に広がって介護施設の新しい動きを作るようにもなっている。

『宅老所よりあい』は従業員の立場から見たらブラック企業と思われそうな面もある。介護職そのものにそんなイメージがあり、それを払拭できないと介護職不足を解決できない。

これからの社会は多くの高齢者を、年々少なくなっていく生産年齢の人たちで支えなくてはならない。大問題なのだが、具体的にどうすればよいのか。

「施設なんかいくらたてたってもう間に合いっこありません。たくさん建てたところで、じゃ誰がそこで働くんでしょう」。そこで考えだしたのが「老人ホームに入らないで済むための老人ホーム」ということで、作られたのが今年4月に開所した特別養護老人ホーム『よりあいの森』なのである。

『宅老所よりあい』は「♫ケ・セラ・セラ~ なるようになるわ~ 先のことなどぉ~ 判らない~♫」ということでやってきたもの。『よりあいの森』もこれからどうなるのかも判らないのだそうだ。
『へろへろ』を購入いただくとその一助にもなるし、自分自身の将来への参考にもなるだろう。




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