削除された麻生副総理発言(15-08-09)
もう2年半も前のことだが、第3回社会保障制度改革国民会議での麻生副総理の発言が批判を受け撤回された。だから議事録にはない。発言を撤回するということは、歴史からも抹殺されることのようで、それでよいのか、とも思う。「適当でない面もあった」ということで撤回されたのだが、その背景が今となっては興味深い。
発言要旨として時事ドットコムで掲載されたものがWEB魚拓として残っているので転記する。
「高額医療というものをかけてその後、残存生命期間が何か月だと、それにかける金が月一千何百万だ、1500万だっていうような現実を厚生労働省が一番よく知っているはずですよ。
チューブの人間だって、私は遺書を書いて「そういうことはしてもらう必要はない、さっさと死ぬんだから」と渡してあるが、そういうことができないと、あれ死にませんもんね。なかなか。
死にたい時に、死なせてもらわないと困っちゃうんですね。ああいうのは。いいかげんに死にてえなと思っても、とにかく生きられますから。
しかも、その金が政府のお金でやってもらうというのは、ますます寝覚めが悪いんで、ちょっとさっさと死ねるようにしてもらわないと、いろんなこと考えないと、これ一つの話だけじゃなくて、総合的なことを考えないと、この種の話って解決がないんだと僕はそう思っているんです。(2013.1.23)」
この発言についての記者会見でのやりとりは公式記録として公開されている。
○記者
最後の麻生副総理の挨拶の中で、チューブの人間なら、私なら少なくとも死にますねといいますか、いいかげんに死なないと、政府のお金でやってもらっているのはさっさと死ねるようにしてもらわないとという、延命治療を否定するような発言があったのですが、それについてどうお考えでしょうか。
○清家会長(社会保障制度改革国民会議会長、慶應義塾塾長)
副総理の御意見にはそのような御発言があったかと思いますけれども、私どもは幅広くいろいろな議論をしていくつもりでございます。そういう中で、今回のこの視点の中にも、尊厳のある高齢社会のあり方、あるいは尊厳のある社会保障制度のあり方ということも当然視野に入ってまいりますので、私どもとしてはそういう視点でこれからいろいろな御意見が出てくるかとは思いますが、副総理の御意見について、今、私のほうから特にコメントすることはないと思っております。
○記者
副総理の考えも一つの考えであるということになるのでしょうか。
○清家会長
これは国民会議で議論することですので、これから国民会議の委員の中からそういう御意見が出てくればそれも議論の対象になってくるのかなとは思ってございますが、いずれにしても、尊厳のある生活ができるような社会保障制度を求めていくという視点でこれからさまざまに議論はされていくかと思います。ただ、今、副総理が挙げられたものがこれから議論の対象になってくるかというのは、これからの委員の先生方からの御意見によってくるのだろうと思います。
この公開されている記者会見のやりとりで、麻生発言がどんな内容だったかを確認できないままでよいのだろうか。
「さっさと死ねるように」麻生太郎氏の発言報道でマスコミ批判噴出としてネット上の意見がまとめられているが、元の発言が読めない状態で批判だけが記憶されるのもいかがなものかと思う。
http://matome.naver.jp/odai/2135875325778325101
麻生太郎副総理兼財務相は21日開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、高額医療費に関連し、「さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」と持論を展開
というのがマスコミ報道の一例(msn産経ニュース)なのだが、確かに刺激的。原文と比較すると、いかに読者の目を引くかに注力し、記事を作っていることがうかがわれる。
「さっさと死ねるように」の社会保障制度というのは問題がありそうではあるが、「さっさと死ねるように」の医療制度については欧米の事例を見ても、少なくとも議論はすべきだろう。
そんな意見交換の場が身近なところにあるといい。8月20日にグランドオープンする駒場の「町会カフェ」を活用したい。

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