メディアの未来を語る(14-10-10)
10月8日、虎ノ門ヒルズで東洋経済新報社主催の「大変革期に未来を語る!いま、メディアが面白い」と題するシンポジウムが開催された。
前半がニュースメディアについてで、檀上にはスマートニュースの藤村厚夫氏、Gunosyの福島良典、ハフィントンポストの高橋浩祐、産経新聞の土井達士、東洋経済オンラインの山田俊浩、共同通信の澤康臣の各氏。いずれも現場の第一線で活躍されている方々である。
そこで聞きかじったことをちょっと並べて見た。
ニュースは面白いが、ゲームなどとのユーザーの限られた時間の奪い合いとなる。
モバイルを制する者がメディアを制する。フェイスブックに動画を入れて、音なしで自動ではじまるような工夫もされている。忙しい人が情報を得る方法をモバイルの枠組みで。スマホで長文を読むことにもなじみ出している。雑誌コンテンツをスマホでということでもあり、スマホ・PCの差がなくなってきているともいえる。
読まれるものをつくれば金はついてくるとはいえ、紙の取材網をWEBでまかなえない。また有料化には高いハードルがある。検索からソーシャルへという流れも重要であろう。
ニュースを知りたい人に情報が手に入るようになった。供給がついていけない。その人が求めている情報を届けることが求められている。
後半は「動画革命進行中!表現の未来」と題して、在米ジャーナリストの松村太郎、HJホールディングス(日本テレビ系)の船越雅史、二ワンゴの杉本誠司の各氏にモデレーターとして前半でも登壇した山田俊弘氏という面々。
映像のインターネット配信は進んでいる。御嶽山の噴火映像などで素人の映像が注目される一方、プロの映像はどうあるべきかが課題。ただ映像を流すだけではだめだということになるだろう。
また、テレビのように受動的に閲覧するものとは違い、自ら選択して閲覧する映像は、見る側のリテラシーをより高める必要がある。といった内容であったか。
最後はKADOKAWAの会長角川歴彦氏。
メディアも事業で、それは発明に依存してきた。グーテンベルクの発明で出版、新聞が、ラジオ・テレビの発明で放送が事業として誕生した。発明した人はそれがメディアとは思っていなかった。
コンテンツの作成はメディアがないとできない。
サブカルチャー系のカドカワとドワンゴが経営統合した。コミュニティのないメディアは成立しない。テレビの放送はコミュニティであり、ニコニコ動画もコミュニティである。
KADOKAWAはメーカー的発想に立つ。アナログプラットフォームとして書店がある。デジタルプラットフォームはゲームから始める。ユーザーの立場からゲームを作る。
メディアの裏には流通がある。インターネットで物流が変わった。たとえば、雑誌を読まなくなったのではなく流通が変わったのである。NTTドコモと組んだdマガジンは6月のサービス開始から現在すでに52万人に購読されている。マスメディアはテレビができて生まれた言葉だけど、SNSでは1億人を超える読者が出てくる。
メディアからコンテンツが生まれてくる。20世紀(1980年代)は知識社会で21世紀(2010年以降)はソーシャル社会。大衆の数の力は大きく、大衆が自ら主張・想像するなる時代になり、その流通からメディア論を考えるべきであろう。
渋谷WESTもメディアのはしくれと考え、このシンポジウムのメモを残しておく。
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