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2014年2月

地域の国際化(14-2-26)

移民を受け入れて人口を維持するか、人口の減少を放置するかについての国民的議論が必要という。移民にあたるのかどうかは別として、外国人留学生の受け入れ数は少なくない。東大だけでも現在在籍する留学生数は約3千人で、毎年学部に入学する学生数とほぼ同数である。日本全国の大学で中国人を中心に留学生の数は多く、卒業後は日本での就職を希望する者が多いとのことだから、日本に住む外国人の数が増えることは確かだろう。
外国人観光客も増えていて、最新の2013年11月の統計によると、観光客数は前年比38%の伸び率。東京オリンピックに向けて観光ビジネスへの期待も膨らんでいる。
海外旅行の方が国内旅行より割安と感じるのは日本人ばかりではない。オーストラリア人もスキーをするなら国内より日本に来た方が割安ということで北海道のニセコを訪れるという。日本が外国人にとってより魅力的になることに反対する人は少なかろう。
それでも多くの日本人にとって外国人は異人である。欧米人のような先祖の多様性はない。純粋であることを貴いとする意識があるようにも思われる。「日本人なら・・・」という言い方もよくされる。
国際化はよいことなのか、そうではないのか。良い国際化と悪い国際化があるのか。国際化を避けることができるのか。そんなことを地域社会ベースで考えることも必要だろう。
3月6日(木)に駒場住区センターで行なう「渋谷WESTおしゃべりサロン」では、身近な地域での国際化についておしゃべりをしてみたい。

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防災の架け橋マラソン(14-2-25)

火災予防及び発災型防災訓練について広く知らせ、実施促進を目指す「防災の架け橋マラソン」が行なわれた。目黒消防署が独自に企画したもので、中目黒の目黒区役所を午前9時にスタートし、駒場に北上して折り返し、東山、五本木、祐天寺から目黒通りに面した目黒消防署まで目黒消防署員と防災団員が走り抜ける。途中24のチェックポイントがあり、コース全体では11.2キロになるが、2チームに分かれるので、1チーム6~7人で一緒に5~6キロの距離を走ることになる。
何しろ初めての試みなので、駒場のチェックポイントへの到着もかなり遅れたが、記念写真も撮って無事次の通過地への出発を見送ることができた。
消防署員の方には、改めて道路状態を確認する機会にもなるだろうし、地域社会には防災訓練のあることを知るきっかけになる。東京マラソンの後の行事として、定着してほしいものである。
ちなみに、明日26日は碑文谷、八雲、大岡山を回る同様のマラソンが行なわれる。

駒場町会長とマラソン走者の皆さん
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駒場町会防災関係者との記念写真
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次のチェックポイントへ
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3月9日の防災訓練(2014-2-20)

昨年秋に3回に分けて予定されていた目黒区駒場町会の防災訓練がすべて雨で中止となり、3月9日(日)午前10時から12時まで、駒場小学校で新たなプログラムにより実施される。今回の防災訓練は発災対応型(まちかど方式)防災訓練と呼んでいるもの。実際の発災時にどのような対応をするかについて、さまざまな体験をして見ようという趣旨である。

訓練の内容は、負傷者を担架、リヤカー、ストレッチャーで運ぶ負傷者救助活動。設置消火器の場所を見つける街中調査活動。倒壊家屋に見立てた土嚢と木材による三角屋根の下に置いたダミー人形を救出する倒壊家屋救出訓練。訓練用消火器による消火。スタンドパイプによる放水。救助用品の紹介及び避難所倉庫、給水施設等の施設案内といったものになっている。

大規模な雪害が東京でも奥多摩地区で発生し、現在も救援活動が行われているが、いざというときに住民でどのような自主的対応ができるのかという、いわばシナリオのない訓練ともいえるものである。災害はテレビの中で起きるのではない。いつ自分にふりかかってくるかもしれないということで、多くの方の訓練への参加が望まれる。

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書評:『日本経済はどこで間違えたか』(14-2-18)

著者の菊池哲郎氏は毎日新聞社で経済部長、論説委員長、常務取締役主筆を歴任したジャーナリスト。しかし「スタジオでコメンテーターなるおかしな集団が、そこら辺の主婦の見識をはるかに下回る、だから次も出してもらえる意見を述べて金をもらっている」類ではない。経済部の新聞記者として、40年以上もの間、日本の金融財政政策を立案実行してきたエリートたちの側にいた経験から、現在1000兆円にものぼる国の借金の恐ろしさと、そこに至った経緯を紹介するというのが本書である。

日本の税収は初めから全額が国債費と社会保障に消えることが決まっている。一般会計と特別会計を合計した国の1年の経費は223兆円。そのうち政策経費として使えるのは全体のわずか13.8%でしかない、30兆8千億円というのである。すべて国の借金でまかなわれているという計算になる。
「前年度主義から抜け出せない官僚主義と、前年度主義を新しい法律を作って変える意図も能力もない国会という組織体の構造そのものに、最大の問題がある」。その結果としてか、政府の存在意義が人口の高齢化に対応した年金、医療、介護を基幹とした社会保障費の補助をするということに変わってしまった、というのである。

そうなってしまった今、1000兆円の借金を担保する能力が日本にはあるという国際社会での信用力が不可欠になった。「日本という存在の信用性を常に維持し高めていく政策と行動の連続しかない」「一人ひとりが日本という存在の信用力保持の歯車であることを、もっと意識していかなければいけない瞬間に入ってきた」という結論となる。

また、随所にマスコミ批判がちりばめられている。日本社会はいったん事があると、新聞もテレビも週刊誌も連日自分達自身が情報を制限し始め、抑えが効かなくなる姿に唖然とした。特定秘密保護法に反対しているが、実際に何かことが起きて情報制限するのは、意外にも政府ではない。言論統制は、頼まれも何もしないのに言論機関自身が自己保身のため進んでやるのである。といった具合である。

内容は難しそうではあるが、著者独特の調子でユーモアを交えて書かれた本書は、読みやすい平成日本政治経済史といえるだろう。将来の日本を考えるための基本知識を得ることができる貴重な一冊といえないだろか。


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神泉仲通りの魅力(14-2-16)

一昨日の夜に積もった雪が残る日曜日の神泉仲通りの夕暮れ時、食品スーパーのマルエツプチを中心として人が流れているようであった。道玄坂の裏通りとなる神泉仲通りは、その通りの名前を知る人は古くからこのあたりに住む人たちだけなのだろうか。すぐそばの駒場の住民でさえ知らない人が珍しくない。かつては花街の中心で、検番通りとか三業通りと呼ばれていた時代もある。通りも湾曲し、ちょうどマルエツプチのあたりが谷底のようになっている。方向がわかりにくいこともあってか、人通りはいつも少ないのである。
それでも個性的な飲食店が何軒もあるために、そこをめがけて人が集まるのだろう。インターナショナルな雰囲気の居酒屋『開花屋』、朝・昼・午後・夕暮れのメニューがある『カフェブリュ』、石窯ピッツアの『メリ プリンチペッサ』、そして昨年末にオープンしたばかりの品揃え豊富なワインバー『遠藤利三郎商店』などの店を人々は目指す。
仕事帰りの利用が多いためか、日曜日を休みとしている店もあるけれど、営業している店は少なくない。渋谷のイメージとは違って落着いた大人の街。神泉駅を利用することで渋谷を忘れ、静かなひと時を味わえるのではないか。

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東京で思い浮かぶこと(14-2-11)

東京都知事選挙が終わった。前の猪瀬知事は長野県出身、舛添知事は福岡県出身である。その前の石原慎太郎も神戸生まれで北海道小樽市の小学校に入り、神奈川県藤沢市の湘南高校を卒業している。日本橋生まれの青島幸夫が1999年に退任してからは、東京出身の都知事は出ていないことになる。
無論そんなことは問題にもならない。東京は日本各地から来た人たちの殖民都市ともいえそうだから。殖民都市東京という意味では、その範囲は横浜、川崎、相模原、埼玉県南部、千葉県西北部をカバーすることになる。東京都でも八王子や立川だと、浦安や川崎と生活環境として感覚的には変わりがないだろう。旧東京市にあたる23特別区という行政区分は各区の集まりという以上のものではない。更に、その23区についても、それぞれの住民に区民意識というものがどの程度あるものだろうか。
そうして、いったい東京とは何なのだろうか、ということになる。まず、東京に住む人ひとりひとりにとっての意識する場所は違っている。「東京ということで頭に浮かぶ景色はどこですか?」という問いに対して、東京駅、皇居前、浅草寺、渋谷スクランブル交差点、といったテレビに映る場所を思い浮かべるのか。そんなひとりひとりの東京イメージを探ってみたい。
1月25日にもこのブログで書いたけれど、今月13日に開催する渋谷WESTおしゃべりサロンでは、そんなことを話し合ってみる。

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雪の日曜日

東京でこれだけ雪が積もったという記憶のない人も多かったと思われるほどの雪。今日は晴天に恵まれ、日曜日ということもあってか、雪かきをする人の姿もあちこちで見られた。
東大駒場キャンパス正門横のバラ花壇では駒場バラ会のメンバーが年に一度の剪定作業を行い、春の開花を楽しみにしている。
そんな今日、2月9日は東京都知事の選挙。雪のせいなのか、候補者に不満のためなのか、投票率の低さが心配されている。どのような結果であれ、その次の国政が動くことになる。若い人の投票率の低いのは何故なのか。インターネットの活用が活発に行なわれた今回の選挙がどのような結果をもたらすのか。誰が当選したかということに負けないほどの議論が結果の分析から出てくるのだろう。

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インターネットと地域社会(14-2-2)

都知事選挙の論戦の舞台がインターネットになってきているようである。日本人の8割がインターネットにアクセスしているとも言われるが、それでも日常的にニュースなどの情報源として活用している人はまだ半分にも達しないだろう。それでもインターネットの利用がこの1年で随分進んできていることを、たとえばYouTubeの新規公開映像を見て感じとれる。
仕事や勉強をしながら音楽を聴くのに、これまでのようにラジオやCD、あるいはダウンロードした音源データでなくても、YouTubeにあるそんなニーズに対応した音楽を利用すればよくなっている。若い世代では随分利用が進んでいるのだろう。
一方で、地域社会でのインターネット利用はまだまだ。渋谷の商店街のホームページでもその活用が十分できているとは思えない。10年前から地域SNSなどを含め、各地で試みはされてきたのだが、進展はまだまだというところか。
公的なもので便利なものにインターネットを使っての図書館の貸し出し予約がある。図書の貸し出し件数全体の中での利用比率は、地域社会でのインターネット利用の指標になるのではないだろうか。
『渋谷WEST』は地域社会でのインターネット利用を模索しているけれど、地域社会への関心がまずほしいところ。このエリアで地域社会への関心を期待するのは難しいことなのか。魅力ある地域情報を発信していくことが課題なのだろう。選挙についての議論も、地域ベースで行なわれることが理想なのではないだろうか。

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