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都知事選挙を前に(13-12-29)

猪瀬知事の辞任による東京都知事選挙が1月23日の告示、2月9日に投開票のスケジュールで行われ、現在候補者の顔ぶれが注目されている。そこで過去にどのような選挙が行われたかを知る必要があると思い整理してみた。

東京都知事の誕生は1947年5月で、初代の安井誠一郎が47年5月から59年4月までの12年を務めた。2代目は東龍太郎で59年4月から67年4月までの8年間、3代目が美濃部亮吉で67年4月から79年4月までの12年間、4代目の鈴木俊一は79年4月から95年4月までの16年間と、それぞれ複数の任期であった。安井誠一郎と鈴木俊一は共に官僚エリートで、東龍太郎と美濃部亮吉は学者である。
ここまでの48年が一つの区切りになるだろう。日本の復興、高度成長時代からバブル崩壊まで、現在の都庁舎も1990年に竣工している。

16年続いた鈴木都政の後、1995年の選挙では、共産党と社会党の一部を除くオール与党が推薦した官僚出身の石原信雄が敗れ、無所属の青島幸夫が1,700,993票で当選した。鈴木都政の後継者として期待された石原信雄(1,235,498票)が、国際ビジネスマンの岩国哲人(824,385票)と、経営コンサルタントの大前研一(422,609票)に票が分散した結果ではあるが、これまでの都政に対する反発感情が青島幸夫に流れたともいえよう。「東京から隠し事をなくします」の一言が効いたらしい。

青島幸夫の任期満了に伴う1999年の選挙では、自民党本部と公明党が明石康(690,308票)を推薦し、自民党都連の推薦は石原慎太郎(1,664,558票)と舛添要一(836,104票)、柿澤こうじ(632,054票)に分裂した。自民党の推薦が4人に分かれたものの、民主党推薦の鳩山邦夫(851,130票)、共産党推薦の三上満(661,881票)は届かなかった。ここから13年に及ぶ石原都政が始まったのである。
2003年は自民・公明が石原慎太郎3,087,190票を得て再選。民主が樋口恵子(817,146票)、共産党が若林義春(364,007票)を擁立していたが、石原の独走を許した。2007年の選挙は自民・公明が推薦する石原慎太郎(2,811,486票)に民主・社民が浅野史郎で対抗したが1,693,323票で及ばず。共産党推薦の吉田万三は629,543票であった。
2011年には都議会自民・公明が石原慎太郎(2,615,120票)を推薦したが、無所属の東国原英夫(1,690,669票)と渡辺美樹(1,013,132票)が百万票を超す得票を得た。また、共産党の小池晃は623,913票を獲得した。
2012年12月に石原慎太郎の任期中の辞任に伴い、作家から副知事になっていた猪瀬直樹(4,338,936票)が後継指名され、宇都宮健二(968,960票)、松沢成文(621,278票)らに大差をつけて選ばれた。

都知事選挙を国政の評価につなげるような報道になりがちなところが気になる。都知事選挙は都知事として誰がふさわしいかを判断して選ばれてほしいし、都政の課題に絞って議論してもらいたいものである。特に国際化が進む中、候補者の英語力も判断対象としてよいのではないか。英語力は人間関係や思考にも影響を与えるので無視してよいものではない。英語で外国人の理解を得られない都知事でよいのだろうかと思うのは、残念ながら圧倒的な少数派なのかもしれないが。

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