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東大ハチ公物語(13-3-7)

「東大ハチ公物語~ハチ公と上野英三郎博士の像を東大に作る会~」が今年の1月に東大教授を中心とする呼びかけ人により発足している。「ハチ公のハチ十年目の命日」に、ハチ公の飼い主、東京帝国大学農学部教授であった上野栄三郎郎博士と共にいるハチ公の像を東大構内に置こうというものだ。
その趣旨として「真の歴史のための啓蒙」「人と動物の敬愛の象徴」「東京大学の広報」があげられている。

気になるのは「真の歴史のための啓蒙」をその一番目としていること。飼い主が東大の教授であったことが知られていないから、と趣旨書には書かれているが、真の歴史をうたうからには、むしろハチ公が主人を送り迎えしたのは、上野博士が勤務していた東京帝国大学農学部正門の方が主であったという事実ではないのか。正門のあった場所は松濤2丁目交差点から少し坂を上がったところである。今や、そこのバス停に東大前の名を残す他その面影はない。

だとすれば、東大構内というのは駒場キャンパス内でなければなるまい。それも東大前のバス停に近い場所のはずだ。上野博士が教授をしていた東京帝国大学農学部は1936年に旧制第一高等学校との土地交換のため本郷に移った。上野博士が駒場の大学構内で急死したのが9年前の1925年。ハチ公が渋谷駅近くで死んだのはその翌年1935年3月8日であるが、ハチ公の銅像はその前からできていた。

現在上野博士の像は農学部のある本郷の東大構内にある。駒場キャンパス内には近代農学の発生の地であることを記念する駒場農学碑があるが、その生い立ちが広く知られているとは言いがたい。「真の歴史のための啓蒙」は「東京大学の広報」として、大学の生い立ちを知ってもらう意味からも意義があろう。

ハチ公の「公」は忠犬ということから名付けられた。戦時体制の影響によるもので、犬ですら忠義をつくすのだから、人間はもちろんのこととの教育的な趣旨からであった。それを「人と動物の敬愛の象徴」とするのであれば、「忠義から敬愛へ」ということになる。ハチが主人を送迎した旧農学部正門横がヤマザキ動物専門学校になっていることも何かの縁だろうか。その横には渋谷区の所有する土地があるので、そこに誘致するということもあってもよいかもしれない。

あと10年もすると、ハチ公が通った渋谷駅の面影か完全になくなるだろう。その意味からも渋谷駅のハチ公像と駒場キャンパスのハチ公と上野博士の像を結ぶ道を、ハチが通ったハチ公通りとして渋谷のシンボルロードとする意義は大きい。

http://www.en.a.u-tokyo.ac.jp/hachi_ueno_hp/hp/index.html

東京帝国大学農学部正門のあった場所。右の建物がヤマザキ動物専門学校。
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写真の左側に上野英三郎博士の自宅があった。右はBunkamura。
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「ハチ公通り」を走るハチ公バス。
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今月中に拡幅工事が完成する「ハチ公通り」。
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東大前のバス停を示す「ハチ公通り」のバス停。
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