1月23日付けで東京都知事宛の「渋谷駅地区 駅街区開発計画に関する都市計画」の提案が行なわれた。提案したのは、東京急行電鉄、JR東日本、東京地下鉄の3社。渋谷駅そのものの再開発の他に、2つのエリアでのビルの建て替え、再開発の事業がある。
個別計画として、まず、首都高が上を走る国道246号線の先、現在東横線の線路があるところに地上33階・地下5階のビルが建設され、店舗、事務所、ホテルとなる。これの完成が2017年度だから5年後のこと。今年から現在の建物の解体工事が始まる。
続いて西口バスターミナル前の東急プラザのビルが取り壊され、地上17階・地下5階の商業ビルに建て替えられ、1階は空港リムジンバスの発着スペースとなる。2015年に着工して2018年度の完成予定で6年後のこと。渋谷市場など、東急プラザにある店舗を工事期間中どうするのかが気になるところだ。
メインとなる渋谷駅にからむ部分は、駅の機能を維持したままでの工事だけに時間がかかる。
現在の東横線ホームからヒカリエ前の明治通りにかけての場所に地上46階・地下7階の東棟が建設され、その完成が2020年。JRの線路の上あたりに地上10階・地下2階の中央棟ができ、国道246号線沿いのバス停部分に地上13階・地下5階の西棟が建設されるという計画内容だ。
東急東横店の東館は今年の3月末で閉館となるが、西館・南館は2020年の地上46階の超高層ビル完成を待っての取り壊しとなるのだろう。渋谷駅街区全体の完成は2027年となっているから、今から15年も先のこととなる。
渋谷を「日本一訪れたい街」にするということだが、東京駅周辺は今年3月のJPタワーの完成をもって再開発はほぼ終了といえそうだし、新宿駅南口が2015年度に整備が完了していることを考えると、15年後に生まれ変わる渋谷が東京で一番魅力ある街になる可能性は否定できない。
ただ、その時の人口構成や社会情勢を考える時、建物の中身がどのようになるのか。以下の命題を具体化せよ、ということになるのだろうが、それで採算が取れるのかが課題であろう。
「世界から集客し街の賑わいにつなげる大規模 商業施設を備え、渋谷に集積するイン ターネットや映像、ファッション等のクリエイティブ・コンテンツ産業のイノベーションを促す交流 施設を整備するとともに、来街者への情報発信機能を設け、産業や都市型観光の拠点としての機能を 高めることで、国内外からの多くの人や企業を集め、街の国際競争力を強化します。国内外の来街者を惹きつける情報発信機能と来街者の活動を支援する観光支援機能を導入。 生活文化の発信拠点としての魅力を増し街の国際競争力を高める都市機能。また、新しい価値や文化が生まれ育つ環境を整えることで、世界中の高感 度な人や企業が注目するエンターテインメント性あふれる渋谷を実現。」
http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/pdf/130123-b.pdf