« 神泉にワインアパートメント(12-10-25) | トップページ | 東大駒場見本市(12-11-3) »

目黒天空公園を考える(12-11-1)

日本国内にはさまざまな公園があり、その立地密度と管理の良さという点では世界に誇れるものだろう。その数ある公園の中でも、大橋ジャンクションの上に来年3月開園予定の「目黒天空公園」はユニークな存在となるに違いない。
とはいえ、構造物の屋上にある公園ということや、弧を描く坂の歩行路だけという珍しさの他、そこで時間を過ごす楽しさという点で、地上の公園並の価値があるのかとの疑問を禁じえない。マンションの住民のための公園ということならともかく、一般の目黒区民の公園としては、公園の機能のひとつとされる防災拠点にもなり得まい。
「目黒川周辺の原風景をモデルとした自然再生空間を創出し、地域の緑や目黒川の自然と連携するエコロジカル・ネットワーク」「日本全国や世界に日本文化を発信できるよう、四季折々の自然や和の文化が楽しめる回遊式の公園とします」と目黒天空公園はアピールしているのだが、これはボタニックガーデンのミニチュア版をイメージしているのだろう。

公園とボタニックガーデン(植物園)は区別したい。新宿御苑、浜離宮、白金台の自然教育園などはボタニックガーデンで、代々木公園や新宿中央公園などが都市公園となるのか。
ボタニックガーデンで検索すると、日本では、群馬県太田市にある「アンディ&ウィリアムスボタニックガーデン」が見つかる。歌手のアンディ・ウィリアムスとは無関係で、アンディとウィリアムスという名のイギリス人が設計した英国式の庭園なのだ。それほど知られていないようだが、ホームセンターのジョイフル本田が運営していて、企業ショールームということで成り立つのだろう。公共交通機関だけでは訪れることが難しいが、巨大な駐車場がある。

目黒天空公園は、そのユニークさにもかかわらず区民公園規模ということでか、観光バスの駐車は想定外という。ボタニックガーデン仕様の区民公園で、しかも入り口がエレベーターを上がったところにあるという世界でもほとんど例のなさそうなスタイルの公園が、少なくともその設計思想を維持し、発展させるためには、それなりの管理体制が必要となろう。今のところは住民主体ということで地域社会頼みとなっている。

以下の写真はアンディ&ウィリアムスボタニックガーデン
121031_1


121031_2


121031_3


|

« 神泉にワインアパートメント(12-10-25) | トップページ | 東大駒場見本市(12-11-3) »

青葉台・大橋」カテゴリの記事

コメント

chimaです。

植物園は、概ね生きた植物の博物館(展示場)といえると思います。

たとえば、東京大学附属の小石川植物園、都立公園である神代植物公園や夢の島熱帯植物館、渋谷清掃工場の還元施設として建てられた渋谷区ふれあい植物センター、板橋区の熱帯環境植物館などが該当すると思います。

あまり知られていないと思いますが、都立の日比谷公園も亜高山帯の白樺から亜熱帯の棕櫚まで樹種が非常に多く、一種の植物園です。そのため日比谷公園管理所では樹木マップを配布しています。

なお、代々木公園は都市公園ですが、その規模の大きさと明治神宮の森とがあいまって、「森林公園」ととらえることができます。同じく砧公園も規模が大きいのですが、その環境からは「森林公園」とはいえず、ゴルフ場跡地ということもあって「ファミリーパーク」という言い方がされます。

あと、「空中庭園」に関しては、目黒区はこれまで総合庁舎屋上で企業や学生と協働しながらたくさんの経験を重ねてきましたから、管理運営についてはおおいに期待できると思っています。

投稿: | 2012年11月 2日 (金) 09時16分

ちま様

コメントありがとうございます。
目黒区に経験のあることは間違いないのですが、対応する要員を確保できるかどうかが課題のような気がします。ボランティア団体が増えればそれだけ区の職員の仕事も増えそうだし。。。

投稿: 管理人 | 2012年11月 2日 (金) 10時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 神泉にワインアパートメント(12-10-25) | トップページ | 東大駒場見本市(12-11-3) »