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駅の景観(12-5-26)

渋谷駅の再開発が来年初頭の東横線の地下ホームへの移転から本格化する。15年かかるといわれるが、現在の駅の利用を止めるわけにいかないから、仮の通路などを作ったり壊したりして工事が進められることになる。銀座線の新駅建設が東口広場の上で始まるのがその第一歩だろう。

最近完成に近づいた例として中央線の武蔵境駅がある。中央線が高架になるのに伴う工事であったが、地上のホームを片側ずつ高架にし、駅舎を新たに建築した。20年近くの歳月がかっている。今年の3月には改札口とホームがようやく完成したのだが、駅全体の工事はまだ続いている。線路の下に商業施設が入居できるようにするようだ。

それだけの年月をかけて完成した武蔵境駅の景観は少し前とは見違えるほどになった。鉄道の駅前の景観としては、東京駅が世界的にもトップクラスなのだろうが、武蔵境駅も、トップクラスの駅前景観と評価できよう。

一方、これから建設が始まる渋谷駅。駅の建造物そのものが立派であっても、周囲の環境と調和したものになるのかどうかという点では難しいことになりそうだ。景観はいくつもの偶然が重なり合ってできるもので、地形や既存の街並みとの調和を考えてどのようなものにするのがベストなのか。東京駅も武蔵境駅も周囲の建物の方が大きいことで駅舎が映えているようであるが、そのバランスをとることは、一般的には経済の事情から不可能ということが現実なのだろう。

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