江戸城再建論について(12-3-23)
「江戸城再建を目指す会」というのがある。400年前に完成し、わずか50年の間だけあった天主閣を、今頃観光目的で再建するなどということは建築家のロマンでしかないものと思っていた。
東京の都市景観とのバランスからも、まじめに検討する対象にはなるまいと見ていたのだが、3月26日の都議会で民主党が質問するとのツイッターでの通告が目に留まった。質問の目玉だという。
どのような内容かは知らないが、議会で質問されるのなら、江戸城再建論に対して何故今天主閣がないのかが周知されなくてはなるまい。
江戸城は徳川家康が入城してから本格的な城としての工事が行われ、1607年に慶長天主、1622年に元和天主、1637年に寛永天主が完成したものの、1657年、明暦の大火で消失した。
その後天主閣の再建が検討されたが、将軍家綱の輔弼役であった会津藩主保科正之の主張した、天守は織田信長が岐阜城に築いたのが始まりであって、城の守りには必要ではない、大火後の江戸市民の救済を優先すべき、とのことから再建はされなかった。
それ以降、明治維新を経て、現在に至るまで天主閣はなかったのである。
天主閣を作るよりは玉川上水を開き、江戸市民の生活が第一とした保科正之。更にその後も天主閣を再建することのなかった徳川幕府の考え方こそが世界に誇るべきことではないのか。
「名君保科正之公の大河ドラマを作る会」というのもある。
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