顧客参加型飲食店(12-2-2)
「ぐるなび」では飲食店を21の料理別ジャンルで紹介している。すし屋・魚料理の店、居酒屋・飲み屋、日本料理店・郷土料理店、和食店・和食レストランなどと、細かい。一方で、蕎麦屋、うどん屋、ラーメン店などは、ラーメン・麺料理としてくくられる。
渋谷松涛のオーガニックカフェ「パブリック松涛」はそんな「ぐるなび」の分類には当てはまらないような店だ。検索すると「喫茶・軽食・ワインバー」という業態にされている。珈琲400円、オーガニックワイン2900円~というのがメニュー。通常平均予算500円とある。宴会平均が300円だから極めてリーズナブルだ。ただし、「詳細な情報については、お店にお問合せください」としている。
もっともそれは「ぐるなび」の上での話。山手通りから東急本店へ向かう表通りに面した喫茶店なのだが、そこがどんな店かは外からでは分からない。半年前までは入り口にメニューを置いていたけれど、それを見て来店する客がないためかそれをなくし、店内の黒板に書いてあったメニューも消えた。午後3時の開店はシャッターが開いたことで知るしかない。
この「パブリック松涛」にメニューがないのは選択の余地がないからだろう。珈琲だけでなくいくつかの飲み物の選択肢の中から選べるのが普通の喫茶店。ケーキやスイーツ類もなく、珈琲を飲むだけなら自宅で十分ということにもなる。しかも近隣には普通の喫茶店ならいくらでもあるのだ。
だから普通の客は入って来ない。入って来ないから店内では営業時間中に夜の準備をすることになる。昨日はうどん作りをしていた。喫茶店なのになぜうどん作りをするのか、ということにこの店の客なら驚かない。客との雑談の中でこの店で何を食べるのかが決まるのだから。その上で食材を探し、客が参加して料理を作るというスタイルが定着している。
こんな顧客参加型飲食店は案外あちこちにあるのかも知れない。しかしチェーン店には向かないだろう。その地域ごとの客と店長の個性に合わせた店作りになるはずだ。
うどんを踏んでいるのはお客さん
切るのはマスター
切りたてのうどん
夜にはこんな感じて提供。再現されることはないでしょう。
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