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1965年から1970年の頃のポスター(11-12-20)

劇作家の寺山修司とイラストレーターの宇野亜喜良のコラボレーションから生まれたポスターの数々を展示した企画展が、東急本店前からドンキホーテの裏側に入った道のつきあたりにあるポスターハリスギャラリーで開催されている。
作品は1965年から1970年頃にかけてのものが中心で、当時、多くの大学が学生運動で授業がなかったという時代の雰囲気を蘇らせる。日本の高度成長が最終段階に入った時代といってもよいのだろうが、当時の朝日ジャーナルにはこんなコラムがあった。

「新宿の町には夜十二時をすぎても、なお数十万の人間が瞬間的に存在している。だが、真の意味でこの町で居住する人間はいない。数千室のホテル、バー、ゴーゴー喫茶店、スナックなどとその店ですごす人間が大部分である。(中略)新宿の町は、瞬間、瞬間が、ハプニングの可能性を持っているばかりでなく、風俗的にもつねに何かが起こっている。それと同時に町全体の形態変化が、われわれの全く予期しないハプニングの堆積の中で進んでいる。」(朝日ジャーナル1968年7月14日号)

そんなハプニングの担い手の一人が寺山修司。宇野亜喜良によるポスターは横尾忠則によるものと同様、その時代の空気を、寺山修司の演劇を見ない人たちにも伝えたのである。
ハプニングの町は今では新宿よりも渋谷の方が似合うといってよい。ポスターハリスギャラリーのある裏通りの袋小路はまさにそんな場所。この時代の自由な精神が生んだ日本のアヴァンギャルド・カルチャーの正しい継承者というのが、ポスターハリスギャラリーなのだ。手前にある喫茶店リーミーズでは、その時代のジャズやポップスをレコードで聞かせてくれる。
宇野亜喜良展の期間は1月29日まで。この時代を気軽に語りあう機会をリーミーズでもつことにしよう。

建物の入り口
111220_1

ギャラリーの入り口
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