今日・明日は渋谷音楽祭(11-11-12)
渋谷は音楽の街といわれる。そこで今年は12日・13日が第6回の渋谷音楽祭。
しかし、ひとことで音楽といっても人によりイメージするものが全然違うのが今の世の中。100年前の日本であれば、民謡と学校で習う唱歌がほとんどだったろうし、60年前の1950年頃にはクラシック音楽と今では死語ともいえる流行歌に、ジャズ、シャンソン、ラテンといった分野が加わったということか。当時、音楽といえばクラシック系の洋楽であり、流行歌は音楽とは見なされていなかったようだ。Wikipediaによると、流行歌は「狭義には日本の商業制作による大衆歌謡のうち、欧米のフォークソングなど新しい音楽が流入して分野が多岐に分かれる以前、昭和初期~30年代初頭までのもののこと」とある。
1950年代後半からロカビリーが急激に若い人たちの人気を集めるようになり、テレビの普及と高度経済成長の波に乗って音楽も多様化していった。1960年頃からはアメリカンポップスに人気が集まり、レコードを聞かせるジャズ喫茶も数多く出現した。
1975年ごろから夜の酒席での余興として始まったカラオケは、1980年代半ばからのカラオケボックスの普及により学生の間でもブームとなり、そこで歌える曲が幅広い層に共有されていた。
90年代になるとJ-POPと歌謡曲が分かれる傾向となり、その流れにあるJ-POPの人気グループであるAKB48や嵐が現在の音楽シーンを代表するとはいいがたい。
過去50年の期間に高品質で録音されている音源の蓄積はもとより、100年、200年の間に作曲された音楽資産には膨大なものがある。しかもそれらにYoutubeで簡単にアクセスでき、どんなものかを確認することができるようになっている。そのジャンルの多様性さには気が遠くなるほどだ。
音楽の楽しみ方は時代によって違っていた。渋谷音楽祭は街頭での演奏を楽しもうということもさることながら、若手音楽家に活動の機会を与えるものといってもよいのかも知れない。
渋谷で40年~50年前には数の多かった名曲喫茶、ジャズ喫茶がほとんどなくなり、その代わり踊ることのできるディスコが大型になった。カラオケボックスの人気が衰えたとき、人々は音楽をどのように楽しむようになるのだろう。
今から60年ほど前、ビートルズが熱狂的に迎えられた頃、その曲は音楽教育の現場ではどのように評価されていたのか。また、現在の音楽教育はどうなのか。日本の伝統音楽まで含めた多様なジャンルの音楽を知るだけでも大変なことだし、人によって好みも違う。そう考えると、あらゆるジャンルの音楽文化に触れることのできる場が必要なように思えるし、渋谷音楽祭にそうした要素が加わるとより魅力的になりそうだ。
それよりも、いっそのこと、渋谷に音楽を語る店の集まる通りを作り、その名を例えば「ペニーレイン」としてはどうだろう。
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