渋谷の地域振興(11-11-08)
地域振興は観光振興といってもよいだろう。その地域に人が訪れ、お金を使うようにするための仕掛け作りなのだ。その主体は商店会である。商店会ごとに集客のためのイベントを企画し、それに行政が助成をする。渋谷区では商工観光課の担当ということになるのだろう。
しかし商店会ごとの企画では観光振興にはなりにくい。渋谷駅周辺はいくつもの商店会に分かれているから、渋谷音楽祭のように全体で何かするにはその調整も必要になる。また年に一度のお祭りが地域全体の振興につながる観光振興になるとも考えにくい。
そこで、たとえば、渋谷センター街でバスケットボールストリートと名づけたような話題作りが必要になる。そうして、その話題をどのエリアまで、またどれだけ継続的に伝えることができるかどうかが鍵となるのだ。話題があればそこに人は集まる。テレビドラマが観光につながるわけでもある。渋谷の場合ハチ公物語がそうした話題作りに一役買っていたとしても、もはや賞味期限は切れていると考えるべきだろう。その一方でセンター街のチーマー・ガングロの記憶が、いまだに渋谷に対するマイナスのイメージを払拭しきれていないことが憂慮されている。
東京は点としての観光スポットが多すぎる。それぞれの点に大勢の人が集まるという傾向が著しい。来年の5月はスカイツリーとその周辺に話題が集中することだろう。同じタイミングでオープンする渋谷ヒカリエが、その影に隠れてしまう恐れもある。
その中での渋谷の地域振興策だ。
特定の建物や街並みを観光資源とするのではなく、ある活動が行なわれている街としてPR活動をし、それを求めて客が集まるようにするのがよいのではないか。まず活動する人が集まっていることを知ってもらい、それに興味のある人が集まってくるという仕掛けだ。「芸能人が来る店」を売りにするようなものといってもよい。
渋谷がファッションの街であるとすれば、渋谷でファッションをどう楽しむのか、というガイドを作る。音楽の街、映画の街でもあるから、そこでの演奏活動や映画のラインナップと解説のあるガイドを作るとよい。
そんなことは一つの商店会ではできないし、行政も主体として動くわけにはいかない。当事者が自分のために渋谷ブランドを利用すればよいのだ。そんな場を「渋谷WEST」というサイトで担うことができるのかもしれない。
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