地域おこしと渋谷WEST(11-10-18)
総務大臣主催による「地域力創造に関する有識者会議」の最終とりまとめが昨年8月に発表されている。地域力というものは大都市圏から離れた地域が念頭に置かれているようだ。
東京圏の人口はさまざまな定義があるにしても、3千万人以上の規模と考えてよい。一国の人口としても決して少ない方ではない。その東京は「世界中からのヒト、モノ、文化が交流し、産業が集積し、経済力があり若者が多い。こうした視点では地域力があり、活性化もしている」と上記の報告書には書かれている。東京圏は地域おこしの対象外とはしないものの、大都市圏から離れた人口が減少傾向にある地域と同列に扱うことができないことは確かなのだろう。
だからといって、東京圏に地域おこしが不要というわけではない。住みよい環境を守ると共に、世界からの訪問客が楽しめる街づくりが必要なことは東京圏でも同じである。
一方で、東京をひとくくりにできないことはその人口規模からして当然である。地域おこしの対象となる地域の人口が10万人を越えることは少ないのではないか。渋谷区や目黒区の地域おこしというのも現実的ではない。やはり商店街単位ということになるが、それでは狭すぎるということもある。また、商店会に加入しない事業者も少なくないことも問題だろう。
東京圏にそうした地域おこしの主体となるような地域がいくつあるのか、と考えるだけでも気が遠くなる。近くでは、代官山、下北沢、中目黒といったところで、それぞれの活動があるようだ。渋谷の場合も商店街単位で地域おこし活動に相当することをやっている。渋谷センター街振興組合がセンター街メイン通りを「バスケットボールストリート」通称「バスケ通り」とこの9月に名づけたのもその一例である。
渋谷の範囲は広く、その全体像を知ることは大変だ。渋谷WESTもその変化をフォローできる範囲を対象エリアとしているため、センター街や公園通りといった渋谷の中心エリアの情報は基本的には扱わない。マークシティから南側も対象外としている。勝手な区分ではあるけれど、どこかで線をひかなくてはならないので、そうしている。渋谷WESTはオトナの街ということをアピールしたいということがそもそものスタート。だから渋谷WESTといいながら、渋谷区とは交流の乏しい目黒区の駒場・大橋方面も対象にしている。学校と住宅と文化活動を楽しめる繁華街とを一体化しているのだ。
渋谷WESTというエリアに関心が高まることを期待して始めたことが、今年で10年目を迎えている。地域おこしに貢献できることを目標としながらである。
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コメント
ちまです。
人口3,000万人ってどんなボリュームでしょう。
手元にある2007年発行の世界地図帳の各国要覧を見てみました。
人口2,800万人から3,200万人までの国をリストアップしてみました。
アフガニスタン、アルジェリア、イラク、ウガンダ、カナダ、ペルー、モロッコ
これらの国になんとなく親近感がわきました。
投稿: | 2011年10月19日 (水) 08時57分
ちま様
いつもありがとうございます。
手を抜いたところをカバーしていただき恐縮です。
カナダの他はアフガニスタンをはじめ、問題の多い国ばかりのようですね。
投稿: 管理人 | 2011年10月19日 (水) 10時10分