東横のれん街のこれから(11-9-9)
渋谷駅の下、東急東横店東館の一階部分にある東横のれん街は1951年10月に日本初の名店街としてスタートし、今年でちょうど60周年を迎えることになる。
有名店を集めたショッピングスペースは、大きな駅ビルや空港など、全国どこにでも見られるものだが、それを初めて実現したのが東横のれん街だということは、余り知られていないかもしれない。最初のテナントは、泉屋東京店、入船堂、榮太樓、小倉屋山本、菊廼舎、玉英堂、コロンバン、志乃多寿司、清月堂、玉木屋、ちとせ、梅林堂、花園万頭、味の浜藤、麻布文明堂、諸国銘菓の15軒と記録されている。現在はスペースも拡張されているが、決して広くはないスペースに店の数は全部で84店を数え、人も多く集まるから面積当たりの売上げは相当なものだろう。
この東横のれん街も60年の節目を迎え、あらたな歴史を刻むことになるのではないか。東横線のホームが地下鉄副都心と同じになり、東急東横店の建物は解体される計画だ。
そこで来年春には渋谷ヒカリエがオープンし、地下3階から地上5階までがショッピングゾーンとなるようで、そこに移ることがオファーされているのだろうが、店としての判断は難しそうだ。見た目のよさが商売としてよいということに必ずしもならないことはいうまでもない。
買い物客も西口バスターミナルから遠くなるということもある。代替スペースとしてはマークシティの方がよいという店も少なくないはず。
いずれにしても60年の賑わいの歴史が転換期にあることは確かだろう。10年前の50周年を記念して飾られた「のれん街発祥の地」の記念碑のこともあるだろうし、関係者のご苦労を察するばかりだ。
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