隠れ家バー(11-8-9)
バーというのはそこにあることを誇示しないものかも知れない。外からはドアしか見えないのがあたりまえのことのようでもある。一見の客が来ると店の雰囲気が壊れてしまうということで、そこを知る客だけに来てもらうというのが慣わしかもしれない。
そんな中でも神泉仲通のル・ザンクは格別。隣の惣菜店がカモフラージュしているかのように、そこにバーがあることを気づかせない。その前を何年通っていても、ドアの擦りガラスに小さな文字でle Zinc と書かれた店があることを知る人はいないのではないか。常連客だけを迎え入れる特別の空間のなのだろう。
松見坂下にあるYakety-yak は若い人の行くカジュアルバーのようだが、隠れ家的雰囲気に変わりはない。表通りに堂々と面していて、堂々と店の名前が壁に書かれているのだが、やはり周囲とのつながりからなのか、そこがバーであることになぜか納得しがたいものがあるのだ。
バーというのは決まった客がくつろぎの時間を過ごす場所。新しい店をあちこち探すものではないようだ。
ル・ザンク
Yakety-yak
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