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2011年6月

丘の上の裏町(11-6-30)

渋谷近辺に長く住んでいたり、仕事をしている人たちにも、案外知られていないのが、道玄坂と文化村通りに挟まれた丘の上の街。道玄坂2丁目の百軒店と円山町がそこにある。人通りの多い表通りの裏にあたるので文字通りの裏町となる。単に表通りの裏にあるということではなく、地形の関係もあって、その街に入る道は限られ、しかも先が見えないのでどこにいくのかも分からない。

そのエリアのすべての入り口を写真で見ると、そこから入りにくい雰囲気であることが確認できる。ラブホテルの看板が目立つ上に登り坂なので、歩いてみようという気にはなりにくいだろう。中央を車が通り抜ける道であるランブリングストリートを別にすると、特に昼間歩いているのは、ラブホテルに用のある人が一番多いようでもあるのだ。男女で歩いているとまずそういう目で見られる。

この土地のイメージはラブホテル街ということだけであり、それ以外のものを期待する必要はないと割り切って無視しているのが実情か。だから、渋谷の中心のかなりの面積を占めるエリアなのに、おおげさにいえば秘境のような場所になっているのだ。

それだけに、これまで開発が進まず、静かな環境が保たれているともいえる。ランブリングストリートを中心に、このエリアの再開発の素晴らしいアイディアはCGでも作られているのだが、まだ検討段階の状態である。3・11の震災・原発事故の影響もあり、10年以内に超高層ビルの建設を伴う六本木スタイルの再開発が始まるとは考えにくい。

現状の猥雑感を残しながら、街の様子がいわばサブカルチャーの街として知られるようになり、その裏町の魅力に惹かれて多くの人が来るようになっていく。そんな形が現実的な将来像のように思えるのだが。表も裏もないような街ではつまらない。

道玄坂の途中からの百軒店商店街正面入り口
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道玄坂小路からの階段の入り口
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文化村通りの東急本店の反対側でラブホテル行きに見える道
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松涛郵便局交差点からのランブリングストリート
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栄通りに入ってすぐのラブホテル街
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どこに行くかが見えない円山町の中心街への急な坂道
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道玄坂上からのランブリングストリート
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道玄坂上から下る途中のランブリングストリートにぶつかる道
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神泉の永田自動車(11-6-29)

旧山手通りの神泉駅入口交差点にある永田自動車は、トヨタとダイハツの店の間にある自動車整備会社。永田さんはパリダカのレースに参加したことがあるとうわさで聞いたこともあり、地元の車両整備関係者に愛されている長老なのだ。
会社のホームページはないようだが、それにもかかわらず魅力的な映像がYouTubeにアップされている。さりげないコマーシャル映像のようで好感がもてる。近所の映像製作会社の作品のようだ。しかし、去年の12月にアップして現時点でのアクセス数が10というのはさびしい。地域の人を知るという意味でPRをしたい。



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ポスター・ハリス・ギャラリー再訪(11-6-28)

2月9日に「秘密のギャラリー」として紹介した「ポスター・ハリス・ギャラリー」を再訪した。東急本店前のドンキホーテの裏側にあたる場所。文化村通りからラブホテル街に向かう坂道をすぐ左にまがって50メートルほど歩いた突き当たりにあるビルの中にある。行き止まりの道に入るには勇気がいる。しかし、この秘密の場所というロケーションが貴重ともいえるのだ。

ギャラリーは1960年代以降の舞台芸術系のポスターを展示し、1960年代から70年代の自由な精神が生んだ日本のアヴァンギャルドカルチャーの正しい継承者として、その分野の作品の展示をしている。 寺山修二と天井桟敷の文化を伝える場ともなる。
http://posterharis.com/index.html
このギャラリーのある場所はまさにそんな文化にぴったりの場所で、現在展示されているのは大阪在住の絵師東學さんの墨画。浮世絵の伝統を引き継いだ作品である。

Bunkamuraギャラリーやヒルサイドテラスよりも、こうした場所に展示されるほうがふさわしいカルチャーもある。カウンターカルチャーは裏町文化といってもよさそうだし、そんな文化に接する場所としておあつらえ向きなのが文化村通りの裏にある「ポスター・ハリス・ギャラリー」なのだ。

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放射線量の測定と節電 (11-6-27)

原発事故による影響はさまざまな局面に出ている。経済や雇用への影響はこれからだろうが、とりあえずは電力不足と放射線の問題だ。
そんな中で、東京でも放射線量の測定を住民の要望により自治体で独自に行なうというようになっている。国や都の調査では安心できない人の多いことの反映ともいえるだろう。

とはいえ、その方法は自治体によりさまざま。目黒区は(財)放射線計測協会が公正証明書を発行した計測器でおこなえる事業者に、およそ700万円の委託費を計上して測定を実施する。渋谷区は、財団法人 日本食品分析センターに委託しているが委託費は不明。

世田谷区は測定を外注するかどうかは明らかでないが12箇所で独自の調査を行なう。目黒区の21箇所と比較すると人口や面積からするとかなり控え目な規模だ。ちなみに渋谷区は、初回は全小中学校と区立保育園で、2回目からは結果を見て検討するとある。

三鷹市は、簡易型放射線量測定器(1台)を発注し、入荷後、測定を担当する職員の研修等を実施し、放射線量の測定を開始する予定というから、他と較べると悠長ということになるのか。

また荒川区は都の調査データをホームページで発表している。その他を調べたわけでもないが自治体ごとにさまざまなのだろう。

安心ためのコストをどこまでかけるかは、それぞれの首長の判断。これを見る限り、目黒区が一番リッチなようにも見える。区民意識がそうなのかも知れない。財政状態をからすると、何かを削って捻出ということになるのだろうが。

目黒区は7月1日から9月21日までの平日午後1時から4時の間、図書館や区民施設を節電のため、閉館としている。一方で、荒川区は「あらかわ街なか避暑地」として図書館などを避暑地として利用することで、家庭のエアコンを止めることを呼びかける。

目黒区と荒川区は放射線量の測定と節電という、2点について対応がずいぶん違う。

これが国に頼らず、また自治体ごとに対応の違いのあることを知って、住民自ら行動することのはじまりであればよいことなのかも知れない。

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電線が地下に(11-6-25)

道路拡張工事が進んでいる栄通りで、Bunkamuraに近いところの電線が消えた。電柱が真ん中に残っているけれども、まもなく撤去されて道路の工事に入るものと思われる。車の走る場所を動かしながら、歩道の枠を片側づつ順次山手通り側の坂の上まで伸ばしていくのだろうか。電線の地中化工事は8月中に終わりそうだが、それから歩道の整備、車道の舗装、植栽といった段取りか。

道路ができ、建物が整備されると、それ以前の景色は思い出せなくなる。渋谷に来る機会の少ない人には、いつのまにこんな立派な道ができたのか、ということになるのだろう。

電線が地下にもぐり、歩道が整備されたら、この道を松涛坂と呼ぶようにしよう。さしずめ写真のあたりは松涛坂下となる。東急本店通り商店会の表示があり、かつて栄通りの両側の住所表示が栄通りであったことから栄和町会があったりするので、松涛坂下という名前は難しいかも知れないが、神泉町と松涛が道の両側になる坂道であれば松涛坂と呼ぶことに抵抗はなさそうだ。

東大駒場キャンパスの学生もこの道を使って渋谷駅から歩いて通学するようになれば、駒場東大前駅ホームの混雑が多少とも緩和されよう。

2008年12月はこんな様子
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5月まではこんな感じ
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6月24日には電線が消えていた
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「地図ふぇす」と映画「無常素描」(11-6-24)

山手通りの大坂橋下にある日本地図センターでは6月24日(金)から26日(日)までの3日間、「第7回地図ふぇす」を開催中だ。「地図と写真が語る 東日本大震災」ということで、被災マップ、震災直後の正射画像データ、福島、宮城、岩手の沿岸地域のデジタル標高地形図が展示されている。青森県から茨城県までの海岸沿いに被害状況が地図上で細かく示してあり、その被害範囲の広さが戦災以来のものであることを確認できる。その上に福島県の放射能による避難地域が加わることになるのだ。

また、ランブリングストリートのシネマコンプレックスKINOHAUSの2階にある、オーディトリアム渋谷では、被災地の情景を4月末から5月初めにかけて撮影した「無常素描」を7月15日まで上映中している。映画監督が個人の視点で見た被災地の映像といってよさそうだ。包括的な記録映画というものではない。英語のタイトルは”The Sketch of Mujo”。僧侶である玄有宗久さんの読経と語りが挿入される。

原発事故により生じているさまざまな問題と、津波被害からの復興という課題は余りにも大きい。放射能汚染や節電、更にはエネルギー政策の方に関心が向いているようだが、津波被害の事実も忘れてならないことはいうまでもない。映画での、津波被害が忘れられてしまうような復興ではなく、また来ることを心配するようなものにしたほうがよいのではないか、との玄有さんの言葉が心に残る。「無常」という日本語が古文の世界のものとして忘れられようとしているが、改めて考え直す時期に来ている。


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喫茶店での夕食会(11-6-23)

松涛坂のオーガニック・コーヒーの喫茶店、パブリック松涛で夕食会が催された。何が食べられるのか、店の方でも分からないというおまかせコース。2人のシェフがその日までに届いた食材をアドリブで調理するという内容なのだ。その上、客の人数もわからないというあり得ないような状態だった。
スタートは午後7時。まずは、キュウリとズッキーニにイタリアからの豚肉から特別に作ったというベーコンを併せて炒めたもの。炒めた油にもこだわりがある。食前のおつまみで。
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そして伊勢から送られてきた本場の伊勢海老の披露。無論生きている。
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そして、野菜のテリーヌ。前菜となる。特製のホワイトコーン冷スープも添えられた。
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更に生野菜盛り合わせ。ちょっとワイルドな感じ。
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次にイタリアから輸入した豚肉をウインナー・シュニッツェル風に調理されて出てきた。
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続いてはトマトのオーブン焼。
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そしていよいよお約束のシャンペンサーベル。シャンペンの頭をサーベルで切り落とすパブリック松涛の名物パフォーマンスだ。
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シャンペンが開いたところで乾杯。
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いよいよお待ちかねの伊勢海老。こんなスタイルで食べさせる店が東京にあるだろうか。
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口直しは、山形から送られてきた高級サクランボを煮てアイスクリームと併せたもの。写真を撮り忘れた。

それから夏の特産岩牡蠣。喫茶店では殻が開けられず、近所のイタリア料理店に救援を求め、ご近所さんの底力ということで無事テーブルに。
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最期はパスタ。残念ながらもう満腹。
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それからぐだぐだとしていると日付は変わっていた。
ちなみにこれでお値段はいくらだったか。まさに一期一会で、再現不能の内容だし、お客様感謝デイ特別価格というもの。
だから、ブログを見たのでと、電話で写真の料理の予約をしても断られるだろう。何しろ料理人が常駐していない喫茶店で、コーヒー400円が基本メニューの店なのだから。

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川がなくては生きていけない(11-6-22)

1964年の東京オリンピックの最中に神山町で生まれ、それ以来渋谷区民だという音楽家、加瀬竜哉さんが、宇田川、玉川上水、渋谷川、三田用水、駒場の空川と、暗渠となっていた川を訪ねて詳細に記録したものが公開されている。「No river no life 」川がなくては生きていけない、というものだ。
渋谷から駒場にかけての川の跡が古い写真もふんだんに使って紹介され、渋谷区を紹介する印刷物でこれだけのものはない。無論渋谷WESTのサイトとしては貴重な情報源となる。知識として活用したい発見がいくつもあるので、これからの課題としよう。
ただ、それぞれの土地をよく知っている人にとっては貴重であっても、その土地と無縁の人には他人のアルバムを見るようなものともいえそうだ。このブログもその種のものと割り切っている。
川の跡は自然のなごりでもある。自然との共生を考えるなら、その土地の原風景を想像する必要もあるのではないか。渋谷区民はもちろん、空川の暗渠に近い駒場住民にも、この川の痕跡から土地の歴史と自然を考えるのに役立つ。

http://www.kasetatsuya.com/norivernolife/noriver_nolife.html
ブログ
http://ameblo.jp/kasetatsuya/

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「しあわせ節電」と「降りてゆく生き方」 (11-6-21)

東日本大震災は津波による被害の深刻さはいうまでもない。しかし最近は、原発事故による避難や、東京での放射能汚染の不安がより大きな問題となっている。その原発事故の影響で、脱原発ということが現在政治的に重要になっている中、その選択肢が必ずしもクリアとはいいがたいのではないか。原発維持、原発漸減、反原発とさまざまな議論があるのだが、安井至東大名誉教授がエネルギー政策俯瞰図としてわかりやすく発表している。原発代替として、不安定自然エネルギー、安定自然エネルギー、分散コジェネ、大型天然ガス、バイオマス、節電、蓄電があげられている。その中で節電は、特に60歳以上の日本人が得意とするものと見なされる。
http://www.yasuienv.net/EneBirdsEye.htm
そんな節電派を代弁するようなのが、この6月10日に発売された鈴木孝夫著の『しあわせ節電』であり、武田鉄矢の自主上映専門の映画『降りてゆく生き方』といえそうだ。
節電を強要されたり、政府から「降りてゆく生き方」を提案されては困る、ということはあるのだろうが、個人ベースでは節電でしあわせになり、降りてゆく生き方を選択することは悪いことではない。節電を好むか好まないかは、洋食が好きか和食が好きかといった趣味の世界かもしれず、区役所のエレベーターを一部止めるか止めないか、といったことにも出てくる。

それはともかく、『しあわせ節電』という本。慶応大学名誉教授で言語学者として高名な84歳の著者は、近所の青葉台にお住まいで、道端にあるものを拾ってリサイクルを続けてきた。モノを捨てない、ゴミを出さない生活を実践されているわけだが、その手本は江戸時代にあったとしている。電気アイロンが電力の無駄使いというから、一般とは相当の意識の違いはあるだろう。身だしなみを気にするかどうかといったことからも、節電・節約の考え方の違いがでてきそうだ。

節約を強いられた経験のある世代は、それでよいのだ、ということもあるかもしれない。その一方で停電や冷暖房のない部屋など知らないというのが若い世代だ。最近の書店には節約本が多いように感じるが、節約されるとビジネスとして困る立場のあることも事実。この議論これから一層活発になることだろう。

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目黒区議会傍聴 (11-6-20)

目黒区議会の本会議を傍聴した。渋谷区議会と比べ、傍聴席が広く、椅子もよい。その割に傍聴人の数が10人程度と少なかったのは残念ではあるが、例年並ともいえる。
渋谷区議会と、質問と答弁のスタイルの違いもある。渋谷区議会では質問者の再質問も壇上で行い、それに対する答弁も壇上まで歩くというものだが、目黒区議会は再質問は議席から行い、答弁も壇に上がらない。目黒区のスタイルは略式なのかもしれないが、形式にこだわる必要もあるまい。

今日傍聴したのは今井区議(自民)、飯島区議(公明)、香野区議(刷新めぐろ)。ちなみに刷新めぐろは民主党で当選した議員の会派なのだが、国政とは別ということで、5月にその会派名としたそうだ。

災害時の避難所についての質問が共通していて、町会の活性化、ポンプ操法大会についての議論もされた。学芸大学駅の喫煙スペースでの受動喫煙問題も取り上げられ、そうした問題のあることを知った。放射能よりタバコの害の方が大きいという人もいるほどだから、深刻な問題なのだろう。

住民としてはすべて頭に入れておきたいことばかりなのだが、区議会での議論に対する関心が乏しいのが現実だ。興味を喚起する解説がないからではないのか。3人の質問だけでは評価はできないかもしれないが、渋谷区議会との違いとして、予算措置を必要とする要望がなかったことが印象的だ。目黒区の財政が厳しいことが背景にあるに違いない。

ポンプ操法大会への参加が、D級ポンプが72台も区から支給されているのにもかかわらず、参加が32隊というのはいかがなものかとの質問。町会への参加を積極的に呼びかけるべき、との意見もあった。ポンプ操法大会については、参加しなくても町会ごとに訓練している例もあるとの区長答弁。操法大会に参加するかどうかよりも、いざというときに役に立つような体制になっているかが問題なのだが。ポンプは操作できても水がどこにあるのかという課題もある。

目黒区には82の町会・自治会があるそうだが、本来、行政の指導のもとに活動するものでもないだろう。町会ごとに性格がちがっていてよいはずだが、それぞれがどのような活動をしているかはお互いに分かる方がよい。

渋谷区円山町会の情報発信は先進事例として参考になる。
http://maruyamacho.net/about-maruyama-town-council/town-council-activities

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渋谷の谷に架ける橋 (11-6-19)

渋谷駅は2026年まで15年かけて建替えられる。東横線の渋谷駅が2012年度中に使われなくなり、東急東横店も東館から解体工事がはじまることだろう。宮益坂上から道玄坂上まで、ヒカリエとマークシティがつながることになる。渋谷の谷を越えて、両側の丘が建造物の通路で結ばれるわけだ。

マークシティは1994年に着工され、2000年に完成。ヒカリエは2003年に閉鎖された東急文化会館の解体工事を経て2012年春の竣工となる。それからマークシティとヒカリエをつなぐ工事に入る。銀座線の渋谷駅を明治通り寄りに新設する工事からはじまるのだろうが、仮設通路とはいえ、ヒカリエとマークシティが連絡通路としてつながるのはそれほど先のことではないだろう。

最終的には、坂道に比較的小規模のビルが並ぶ渋谷の中心に、マークシティとヒカリエのほか、更に4棟の超高層ビルが林立する計画となっている。しかし、この計画は3.11以前に作られたもの。東北地方沿岸部の復興が優先され、超高層ビルの需要見通しも原発事故から派生するさまざまな影響により、予定通りとはいきにくそうでもある。アジアの中の渋谷ということを考えても、3.11までが賑わいのピークだったということにならないとも限らない。

いずれにしても、青山と南平台・青葉台を渋谷の谷間を超えてつなぐ橋が架けられると、渋谷のイメージも違ったものになりそうだ。

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超高層ビルのリスク (11-6-18)

原発の安全神話が壊れたといわれる。では超高層ビルはどうなのかということについて、それほど心配はされていないようだ。超高層ビルはすでに数多くできているし、これから販売される物件の数も多い。ある程度のリスクは織り込まれているのだろうが、独立行政法人科学技術振興機構という公的な機関から発信されている警告は知っておいた方がよい。

東日本大震災にも東京で見られた長周期地震動を、超高層ビルで仕事したり、居住したりする人たちは防災知識ということで必須なのだろうが、そういうところに行く機会のある人も、大地震があったときの知識として役立ちそうだ。大地震が発生した時の防災知識は、自宅にいることだけを想定すればよいわけではない。以下の映像は理解しやすい。

http://sc-smn.jst.go.jp/sciencenews/detail/M110001-007.html

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ラーメンの銘店伝説 (11-6-17)

東急本店前のドンキホーテの隣に6種類のラーメンを500円で食べられる店が6月2日にオープンした。銘店伝説というのがその名前。 家庭用の箱入り常温保存ラーメンを店で食べさせるというもので、6種類の味から選べることと、500円という値段がウリというところか。

香川県の生ラーメンを製造販売する会社、アイランド食品が小売している商品を試食する店ということのようだ。全国の有名ラーメン店の味を再現するもので、もちろん本物とは違うのだろうが、外出先で好みのラーメンをというときに便利だろう。

業務用の加工食品はよくあることとはいえ、家庭用の加工食品をそのまま出す店はめずらしい。そこで食べたラーメンが気に入れば、それを買って帰ることができるという仕組みだ。有料試食販売ということにもなる。食品メーカーによるこうした展開はこれから活発になるのかも知れない。

そういえば、松涛の喫茶店パブリック松涛でも輸入オーガニック食品や市販されていないハチミツなどを有料試食販売している。ラーメンとはちょっとちがう高級食材ということにはなるけれど。
http://www.mieproject.com/index.php/ja/toriatsukai-hinmoku

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渋谷ヒカリエと渋谷ガーデンタワーのライバル (11-6-16)

2012年5月22日に東京スカイツリータウンが開業することになった。タワーの展望台が話題になりがちだが、その下の「東京ソラマチ」のショッピングセンターも52千㎡という大規模なものだ。これに対してほぼ同時期の6月には開業する渋谷ヒカリエは、地下3階から7階までの商業施設の面積が32千㎡。内容の違いはともかく、規模としては「東京ソラマチ」に及ばない。

渋谷ヒカリエは17階から34階がオフィススペースで、商業施設の他には、劇場「東急シアターオーブ」などがある。「ヒカリエホール」という1000㎡と300㎡の2つのイベントスペースもあって、一体的に使うとその面積は2800㎡になるとされる。用途として想定されているのは、ファッションショー、新商品発表会、記者発表、会議・セミナー、各種展示会、ライブ、パーティーなどだ。

神泉町交差点に2011年5月にオープンする渋谷ガーデンタワーの地下1階と1階のイベントホール、ベルサール渋谷南平台も既に予約を受け付けている。広さが1639㎡、1187㎡(2室に分割可)、648㎡という構成である。セルリアンタワーの大宴会場をフルに使うと1430㎡だから、それを上回る大規模会場となる。

オフィススペースということでは、東京スカイツリータウンのイーストタワーは25千㎡で、2011年12月に竣工予定。渋谷ヒカリエは50千㎡、渋谷ガーデンタワーは33千㎡である。この1年で竣工予定の大型賃貸オフィスビルは、パレスホテルオフィス棟(23階延床面積68千㎡)が2012年1月に、虎ノ門・六本木地区再開発ビル(地上47階全体の延床面積143千㎡)が2012年6月以降にそれぞれ完成する。大手町や虎ノ門は金融機関等に好まれそうだ。外資系企業の東京離れが言われている中、どんな会社が渋谷の新しいビルに入居することになるのか。

地下鉄半蔵門線の渋谷駅と押上駅という両端の駅から入る2つの新しい街ということで、渋谷ヒカリエを取り上げられないと、押上の東京ソラマチに関心が集中してしまいそうだ。東急シアターオーブと、渋谷の2つのビルのイベントホールが注目を集める内容でスタートすることが期待されよう。

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目黒区の財政事情 (11-6-15)

目黒区では昨年11月に「事務事業見直し評価結果」を出している。全事務事業の中から、区民への影響度及び事業実施の緊急度がともに比較的低いもの36事業を抽出し、実施した結果である。

特に削減金額の大きかった事業は「小学校校舎の改築・大規模改修」(11億円)と「区立第4特別養護老人ホームの整備」(7億円)が2年延期になり、「地域密着型サービス基盤の整備支援」(2億8千万円)が50%の規模縮小によるものだ。「箱根保養所運営」の廃止、生活安全パトロールの縮小といったものもある。

平成26年度には909億の歳出見通しに対し、歳入は862億。46億円の赤字が見込まれている。国が赤字でやっているから、目黒区も同様に、という考え方もあるのだろうか。ちなみに渋谷区では平成22年度9億円の特別区債が平成23年度は29億円増の38億円。目黒区は平成23年度で1.8億円だ。

多額の支出を要する選挙公約で当選した議員は少なくない。国政であれば、増税や国債で積極財政を!という声もあるのだが、区の財政で積極予算は考えにくい。

目黒区議会でどのような議論がされるのか、21日と22日の本会議はインターネットでも中継されるし、録画もある。どうも国の借金に加え、自治体も借金が多いというのが日本の実情かと思うと、改めて考えさせるものがある。区の財政はどうあるべきかを抜きにして、国のことを心配することでよいのだろうか。国の財政については一家言のある区民は、区の財政にも関心をもつはずだが。

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松涛坂 (11-6-14)

松涛坂という名称、昔からそう呼ばれていたとしても不思議ではない。渋谷区公認のスペイン坂とかオルガン坂よりもっともらしい。実は、栄通りをそう呼んでみようというものなのだ。栄通りといっても、そんな表示が地図や通りにあるわけではなく、松涛や神泉に古くから住む人しかまず知らない。しかし1965年ごろまでは町名が栄通りだったことから、愛着をもつ長老もいるのだそうだ。そのころは神泉町交差点から道玄坂上までの町名を上通り4丁目といっていたし、バス停もあった。しかし今では上通りという言葉は聞かない。

だからというわけでもないのだが、栄通りという名前にこだわらなくてもよいだろう。だいいち栄通りは日本全国の中心商店街の名称で個性に乏しい。東急本店ができて、東急本店通りになるまでは、道玄坂下まで栄通りだった。Bunkamuraができてから、東急本店通りは文化村通りとなった。文化村通りは松涛郵便局前交差点までのようだ。道幅が広くなれば、山手通りの松涛2丁目交差点まで文化村通りと呼ぶようにすることも考えられる。しかし、文化村通りのイメージは既にできあがっている。新しい通りには渋谷から独立した新しい名前がほしい。

そんなことを一年前から地域の人と相談し、意見を求めたりもしていたが、どうも松涛坂ということでよいのではないかという感じだ。渋谷の延長ではない街としての松涛をアピールできる。そして松涛坂は旧山手通りにつながり、代官山へと向かう遊歩道となる。そのルートを松涛・代官山ガーデンロードと呼ぶ。そのシンボルとなるのが来年5月に完成する渋谷ガーデンタワーであり、その先には今年の秋にオープンするCCC代官山プロジェクトがある。

このエリアのイメージ戦略として、松涛坂という名前を定着させるとうことは意義のあることではないだろうか。

拡幅工事と歩道ができている坂の上
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緑の歩道がこれから作られる
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中央の白線までが歩道になるようだ。
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区議会議員の顔ぶれ(11-6-13)

政治家という職業は清廉潔白、勤勉実直であるべきにもかかわらず、傍若無人、厚顔無恥であるかのように印象づけられていないだろうか。政治とカネの問題がいつも取り上げられる。

「わが国の新聞は、明治以来野党精神に立脚しているという。義のためなら権威に屈しないという。(中略)けれどもこれは悪口雑言である。人をほめて面白く読ませるのは至難である。悪く言って面白がらせるのは容易だから、易きについたのだと私は思っている。どんな愚かものでも、他人の悪口だけは理解する。」(山本夏彦著『茶の間の正義』 はたして代議士は犬畜生か)

政治家をけなすことにより、庶民の自尊心を満足させるということもありそうだ。学校の教師もそれに便乗していた記憶がある。国会議員がそうだから、まちの政治家である区議会議員も同類となる。かくしてどこもかしこも政治不信となってしまう。政治不信になって得をするのは誰だろう。政治家自身も一般の選挙民には期待されず、特定の支持者の面倒を見るだけの方が楽なのかもしれない。

しかし、そんなことではまずいのでは、との疑問があってよい。議員は政治を動かすための住民の代表である。「議員は信用しないけれども仕方ないから議員に任せる」という人も少なくないようだが、それでよいはずはない。

そこで、目黒区議会の36各の議員がどんな政策を掲げているのかを、選挙公報から抜き出して一覧できるようにした。政策をみただけではどこの政党かまずわからない。いずれにしても区政の課題はすべて網羅されているのではないか。
http://www.shibuya-west.com/meguro_giin.html
6月20日(月)と21日(火)に目黒区議会の本会議がある。インターネットでの中継(録画)も行なわれるので、目黒区政に関心のある方には、議会での傍聴の時間がなくても、パソコン画面で閲覧されることをお奨めしたい。

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高齢者支援(11-6-12)

目黒区議会議員選挙の公約で一番多かったのが高齢者と子育て支援だ。党派による違いはない。いずれもそのニーズが拡大していて、しかも行政の支援を必要とするものだからだろう。
その一方で財政は苦しい。必要な財源捻出の課題がある。ムダをなくすといっても、何がムダなのかはあいまいだ。議員がムダだというのだろうか、定数や歳費の削減を公約にあげて当選した人もいる。議員や区職員の給与の削減について、渋谷区議会で質問があったが、渋谷区長はそれをはっきりと否定した。公約にあげて当選してもそれが実現するとは限らない。候補者の約束は期待ではあるが、それが実現できなければ力がなかったことになる。いずれにしても何でも実現できるというものではないのだ。だから選挙民も候補者がどれだけ身近かが重要で、何を政策にしているか気にしても仕方ないということになる。

そこで、高齢者支援。まず特別養護老人ホームの建設という箱づくりがあり、財源の捻出が課題となる。同時に、財源の心配をせずにできることを議論しなくてはならない。社会福祉協議会と包括支援センターの情報共有による効率化、介護スタッフやボランティアのネットワーク化など在宅での支援についての具体案も検討の対象となろう。単なる予算の拡充ではなく知恵の勝負となる。スピード感をもってフェイスブックなどのソーシャルメディアも活用しながら、ケアマネージャーや民生委員などの知恵を集めるといい。

目黒区は東京の一部であるというより首都圏の一部。高齢者が目黒区内で介護サービスを受ける需要が今後どこまで拡大するのかの予測ができるかどうかはわからない。また、介護サービスを受けなくてよいようにするためにどうするかは本来行政の仕事ではなく、自己責任であろう。しかし結果として行政の負担になるのであれば、その予防対策も必要である。高齢者支援は自治体ごとに実情に合わせた決めの細かい対応が必要になるはずなのだ。そのための活動も議員の重要な仕事であろう。

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国政より区政(11-6-11)

4月24日に執行された目黒区議会議員選挙の選挙公報から当選した候補者が掲げた政策をまとめる作業をしている。それにより区政の課題と思われることが浮き彫りになってきた。
さまざまなものがあるが、特に、防災、子育て支援、高齢者・障がい者支援、行財政改革に関わるものが目立つ。36人の議員の政策をホームページで一覧できるようにして、各議員がその政策に対してどのような取り組みをしているか、フォローしてみることにしたい。

区議会議員は地域住民と行政との連絡役との見方が一般的で、選挙で掲げた政策など、本人はともかく、投票した人がどれだけ気に留めていることか。そもそも区政全般に関心のある人は限られるようである。政治というと国政ということが今では常識だが、それは国政に関する情報の方が区政に関するものより接する機会が多いからにすぎない。その結果が例えば消費税の税率など個人にとって重要であったとしても、その過程は専門家でなければ議論しがたいところだ。専門家は何らかの報酬を得て議論に参加する。

それに、首相に誰がなろうが、興味さえもたなければどうでもよいことではないのか。2006年9月以来毎年首相が変わっているが、変わって何がよくなったか、何が悪くなったかの評価もないようだ。結果的に首相ポストや大臣ポストを国会議員が取り合っているにすぎないようにも見える。
野球のゲームを楽しませるように政局を楽しませる、あるいは不安をあおるのをビジネスとしているようにも見えるマスメディアという企業に乗せられているだけなのかもしれない。

しかし区政であれば、身近な課題を解決するものなのである。それが解決できないことは、都や国のどのようなことに問題があるのかを知ることになる。そこで都議会議員や国会議員との連携となる。国政の問題点は区政を知ってはじめて理解できるはずなのだ。
国政によくあるように区政でもスキャンダルは関心を惹く。政治の世界だから仕方のないこととはいえ、そればかりが注目されるのでは何も生まれない。

選挙民に笑顔を振りまくのが議員の仕事でないことはいうまでもない。政党活動運動員でも儀式の挨拶担当でもないはずだ。政策の実現に向けての仕事をすることが次の選挙対策として一番有効であればよいのだが、そんなのはキレイ事というのが現実か。

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公園の草取り(11-6-10)

駒場野公園でボランティアが草取りをしている。
公園は税金で作られ、税金で管理されるものである。だから、財政が厳しくなると管理費は削減される。どの程度の金額であれば妥当かということの判断は難しい。
管理費としては、管理事務所で働く人への業務委託費、樹木や植裁の管理などがあり、前年比とかで決められるのだろう。管理事務所の業務内容は、目黒区とシルバー人材センターとの委託契約の中で取り決められているはず。ボランティア精神から積極的に管理業務に励む人と、契約を忠実に解釈する人がいるという。管理費が下がれば、サービス内容も落とすというのは、ビジネスの常道。ボランティアと業務契約とを混同すべきでない。

大橋ジャンクションの上にできる屋上庭園は、首都高が12億円をかけて造成するという。しかし、その後は目黒区の公園だから目黒区の公園管理予算から捻出されることになるのだろう。立派な庭園にすればそれだけ管理コストもかかるはず。目黒区の財政は区内の公園の管理費総額を増額できる状態にはない。そのつけが駒場野公園などの既存公園の管理費に回ってくることを懸念する。

自助、共助、公助ということがいわれる。どの部分の比率を高めるかについては立場により考えはさまざま。公助に期待する声が一番大きいようだが、税収不安のある中、その優先順位を決めるのが議員の仕事だ。しかしそれを見ている区民は少ない。

いずれにしても、共助の部分で参加出来る人が増えてこないと社会が成り立たなくなる恐れすらある。地域社会から住民を隔離するマスメディアの影響を、ソーシャルメディアが薄めることで、事態が改善されることを期待しよう。

公園の草取りはその一歩である。

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そば屋で憩う(11-6-9)

101店のソバ屋のガイドブック『ソバ屋で憩う』という平成11年に出た文庫本で、杉浦日向子がこう書いている。「ふだんのなかに、もっと憩いを。料亭やレストランではない。はやりのグルメ・スポットや居酒屋ではない。ソバ屋でたしなむ酒の味。こんな時間が持てるということ。これぞいままで、生きてきた甲斐があるというもの。ラクーになれます。食欲ではない、楽欲が満たされます。ソバ屋で憩うのは、いかがですか」とまえがきに。あとがきでは「良い加減のよい大人はソバ屋でつくられる」と結ぶ。それから6年たった平成17年に著者は46歳の若さで逝去した。

そんな大人が楽しめるソバ屋は、今どうなのか。道玄坂上に2店あったソバ屋はこの3〜4年の間になくなってしまった。ソバ屋のメニューは立ち食いソバ屋にほとんどあるし、一方、板わさ、卵焼き、焼き海苔といったソバ屋のメニューで酒を飲むという機会も閉店時間が早いだけに得難い。遅い時間から飲めて、酒のつまみのメニューが豊富な居酒屋の方がよいということでもあるだろう。

その上、立ち食いソバのチェーン店が多くなった。しかし、信州屋という立ち食いソバ店は昭和61年の開業の店なのに渋谷の他新宿に出店しただけで、その質の高さには驚くほど。調べてみるとフードサービスのクマガイコーポレーションの9つある飲食店ブランドの一つという位置づけで、それらの店は1ブランドをのぞいて渋谷にある。ソバの信州屋だけが渋谷の他に新宿南口との2店舗展開となっている。チェーン店ではなくパイロット店ということなのか。いずれにせよ、2店舗ではチェーン店とはいえない。

信州屋は、もりそば250円、天丼450円、カツ丼550円という価格設定。しかし、少なくともそばについては、もりそば500円以上のソバ屋の味を上回るといってよいほどだ。チェーン店ではないのにチェーン店の雰囲気というのも不思議。同じ会社のブランドで信州屋とは全くイメージの2・3階にある料理店山城庄蔵は、月替わりのコース料理だけで、価格の割に驚くほど内容がよい。

江戸前の四天王とは、そば、鰻、鮨、天ぷらとか。これらを屋台の気分で食べるのが江戸流とすると、ソバ屋で憩うというのは昭和のものなのかもしれない。昭和文化が日本文化ではない。鮨も立ち食いが増えてきた。鰻のうな鐵も屋台感覚といえる。天ぷらも信州屋で食べればよい。平成も20年代になると江戸に近くなっているようでもある。

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松涛公園の東屋撤去(11-6-8)

松涛公園の池の上にあった東屋がここ何年か閉鎖されていて、今日はその撤去工事がほぼ終わっていた。閉鎖された東屋は見苦しいだけなので、撤去するしかないのだろうが、無駄な工事をしたものだ。東屋がいつ作られ、なぜ閉鎖されたのか、調べれば分かることとしても、無駄な公共事業の例としてその事実を記録に止めておけば十分だろう。
ただ、原発事故の事故調査・検証委員会で話題の失敗学会の事例というほどのものではないにせよ、このようなことがあるということは知っておいた方がよい。大橋ジャンクションの上にこれから12億円かけて建設されるという屋上庭園も、同様の事態になるリスク評価がされてもよさそうだ。そんなことはしそうにないけど。

東屋があったころの池
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東屋が撤去された池
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渋谷区議会定例会を傍聴して(11-6-7)

昨日今日と2日連続、渋谷区議会の各会派代表質問と区長答弁を3人づつ、計6人議員の質疑応答を傍聴した。治田区議(民主党)、佐藤区議(自民党)、苫区議(共産党)、薬丸区議(無所属クラブ)、須田区議(みんなの党)、堀切区議(純粋無所属の会)といった方々のもの。
質疑項目は事前に公開されている。
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/gikai/02katsudo_2_situmon2.html
総じて行政サービスを強化してほしいという区民からの要請を反映しているようである。区民が自主的にするから権限を委譲してほしいといったものは、放射能が怖いから給食や飲料をもたせたい、といったこと位で、サービスの強化、帰宅難民へのサービスなど税金投入を必要とするものばかり。要員数を含む人件費の削減と矛盾するものが多い。都の財源でやるべきこと、国の財源でやるべきことの区別をきちっとすべきだろうし、議員も区民の声をそのまま吸い上げているだけだと見識が問われる。そうした区議に対する人事評価は区の職員はしているのだろうが、住民側からはどうなのだろう。

住民はわがままなものであり、そのわがままを指摘することも議会の大事な仕事だ。それを受けて住民に説明することも議員の役割だろう。区が行う意見交換会への出席が少ないから、町会への住民の加入が少ないから、区でなんとかしてくれという声もあるらしい。何事も行政の権威と公務員の労力、そして税金を投入しないとできないことなのか。心理的に行政への依存度が高いのが日本人の特徴のなのか。

区議会議員は議会での発言についてマスコミで批判されることはまずない。議場で野次られるか委員会の議論の中でのことだろう。しかしこれからはソーシャルメディアで評価の対象となってくるはず。区議会を知らずに国会を論じることは、マスメディアのビジネスモデルに取り込まれているにすぎないと思うのは間違いか。

議会のインターネット中継はWEBカメラさえあればできるようになった。コストはかからないし傍聴席も満席であれば、もはや待ったなしだろう。

高齢化社会になると高齢者の社会での活動の場が課題となっている。町会を含め、自主的に行政機能を肩代わりできる仕組みづくりをしないと、税収増は期待できないから財政はもたない。

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世界女性会議を渋谷で(11-6-6)

今日から渋谷区議会の第2回定例会がはじまり、自民党を代表して佐藤真理区議が区政の課題をさまざまな角度から質問した。その中で「世界女性会議を渋谷で開催することに大きな意義があると思うがどうか」とのことがあった。
世界女性会議とは、女性の地位向上を目的として国連主催のもとで開かれている会議で、1975年にメキシコで開催されたのが第1回。1980年が第2回でコペンハーゲン。第3回は1985年でナイロビ、第4回が1995年に北京、といった経緯だ。昨年は日本女性会議2010というのが京都で開催されている。
桑原区長の答弁は、女性団体で受け入れ体制が取れるかどうかを見ながら検討する、というもの。税金は当てにできないよ、ということだろう。

世界女性会議を日本で開催するなら会場は国連大学で、そこは渋谷区だから渋谷区で誘致の旗を上げることはおもしろい。東京で開催というと、ババア発言で有名な石原都知事に女性団体はなじまないようにも思える。質問は渋谷区議会の自民党を代表してのものであり、より女性の地位向上を主張する団体に近そうな渋谷区の他の会派も同調できるはず。

女性の街といったイメージのある渋谷で世界女性会議を、ということには夢があってよい。渋谷区議会を中心に超党派の議員で呼びかけるのがよいのだろう。渋谷区自民党のイメージとはやや違うようでもあるのだが。

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目黒区小型消防ポンプ操法演技発表会(11-6-5)

目黒区の小型消防ポンプ操法演技発表会が八雲の目黒区立第十中学校校庭で行われた。今年で第二十六回となる。主催は目黒区で目黒消防署と目黒消防団が共催するもので、防災訓練が地域ごとに行われるのに対し、これは目黒区全体の町会が一同に会する行事。今年は32チームの地域防災組織が参加した。演技の評価が消防署員によってなされ、優秀技能賞、優秀賞、奨励賞の表彰状が区長から手渡された。

こうした目黒区の行事が開催されていることは残念ながらほとんど知られていないといってよい。まず消防団と市民防災組織の違いがほとんど理解されていない。知っている人の中にも、小型消防ポンプ操法訓練は役に立たないという意見がある。火災の発生を知るのは消防署が一番速いし、機動力もある。だから、小型消防ポンプによる消火活動は、大規模災害などで、消防が動けない時に地域を自主的に守るためとの趣旨という。しかし、災害発生から消火活動に至るまでの具体的な行動シナリオがないと、役に立つかどうかは疑問だ。

だからといって小型消防ポンプ操法演技発表会が無意味とはいえない。問題はその意味付があいまいなところにある。

目黒区のホームページでは以下の説明をしている。

目黒区では、震災対策の一環として防災区民組織に対し、小型消防ポンプを配付しています。この小型消防ポンプの基本的な取扱方法を多くの方々に体得していただき、自主防災の確立、防災区民組織の活性化及び防災意識の高揚を図るために、「小型消防ポンプ操法演技発表会」を開催しています。
 小型消防ポンプの基本的な取扱方法を「基本操法」といい、小型の消防ポンプを使って比較的小規模な火災の初期消火活動を行うために、安全で確実な操作の流れを定めたものです。

小型消防ポンプを税金で配布しているから、その取扱方法を習得し、活用できるようにする必要がある。その操作技術習得を促進するために「小型消防ポンプ操法演技発表会」を開催するということなのだろう。議会での過去の議事録にどんなものがあるのか興味深い。
しかし、それをどう活用するかは、各町会組織内での課題である。役に立たないと判断すれば小型消防ポンプ操法演技発表会に参加しないという選択もあり、強制されるものではない。

3月11日に震度5弱の地震があった。これで当分地震の心配はないとの科学的な見方はないようだ。当然そうした地震があったときどうするのかを考えなくてはならない。その時、小型消防ポンプをどう活用するのかということと同時に、そもそも役に立つのか、という疑問があっておかしくない。しかし、それはそれである。

小型消防ポンプ操法演技発表会は、実は、小型消防ポンプの操法を理解することにより、消防士や消防団員の活動や技術を理解することを通じて、いざというときに自分や地域を守る知恵をもたらすものである。そんなことは表立っていえることではないのかもしれないし、勝手な解釈である。その知恵が具体的に何なのかは分からないが、学校教育のある科目が何の役に立つのかということと同様だ。

町会単位での交流が生まれ、対抗競技ということで団結の気持ちも出てくることも重要だ。地域の人と力をあわせて、いざというときに自分を守る知恵を得ることにつながるはず。防災訓練からさらに一歩踏み込むものだ。更にいえば、そんなことは行政から指導されることではなく、自分たちで考えることなのである。

小型消防ポンプ操法演技のD級ポンプは3人の選手が参加する。消防団の団員が指導して10回ほどの練習を要するものだ。災害のあることを前提とした活動はいやなことなのかもしれない。スポーツを通じた地域社会活動の方が楽しいとは思う。しかし、防災活動は火災に限らず犯罪を含むあらゆる災難に対処するための基本になる。まず地域防災活動に関心をもつ人が増え、小型消防ポンプ操法演技者をやってみたいという人が増えてほしい。

テレビに映し出される世界には誰もが参加できるわけではない。地域のことに関心をもってそこに参加することの方が楽しいはずなのだが。

目黒十中の会場風景
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ポンプの操作
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放水
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リビングライブラリー再訪(11-6-4)

昨日の先端研リビングライブラリーが面白かったので、今日も再訪した。どんな本でもよかったのだが、まずゲイの人のミニ講演会に途中から参加。日本の人口の5%がゲイなのだそうだが、結婚できないので、病院で親族しか面会できないような場合に困るとかいった悩みもあるなどの話も。ゲイについての新宿2丁目とか薔薇族といったイメージの質問について答えがあり、バラ会という名に違和感のある人がいることに理解も示された。
たまたま会場に来たという女性のコメントが興味深かったので、その方の著書を帰り道に書店で買ってしまった。『「オバサン」はなぜ嫌われるか』という題のもので、具体的な資料を駆使しての女性と年齢についての考察には説得力がある。5月に発売されたばかりだが、幅広い年齢層の女性に売れるのではないか。

続いては「芸術家」ということで先端研の特任研究員でもある鈴木康広さん。先端研の窓外の緑が素晴らしい研究室でのお話。1935年頃から航空研究所として使用された部屋である。
「遊具の透視法」という作品にはじまり、ファスナーが水面を開くということを瀬戸内海で行い、今年の夏には浜名湖でそれを作品をして公開する。これが芸術かどうか、意見もあるのだろうが、これまでにない発想を追求することなのかなど、芸術とは何かといった議論の対象になるところだろう。古典芸術ではない新しい芸術を親しむ場が必要であり、それは美術館という閉じた箱の中で展開されるものではなく、海や湖、あるいは街で見ることのできるものであってもよい。そのとき芸術家に対して、どのように対価が支払われるか、それを考えて芸術は生まれない、などの議論をする場として渋谷WESTほど適したところはないとの思いを持ったのである。




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先端研リビングライブラリー(11-6-3)

東京大学駒場リサーチキャンパスの「キャンパス公開2011」が今日と明日の2日間開催されている。高校生の参加を積極的に呼びかけているようで、高校生が目立った。
今年は何も見ずに先端研のリビングライブラリーに直行。テーマは「働く、働かない・・・働けない?」というもの。1対1での対話とミニ講演会による構成だ。
1対1の対話ができたのは、北海道の病院にいる筋ジストロフィーの人とのスカイプとウェブカメラによるノートPC画面を経由してのもの。病院の中で特殊な機器を使って1日2時間程度の仕事をしているとのことである。インターネットにより、外部との接触が限られる人と簡単にコミュニケーションできるようになっていることの素晴らしさを感じさせる。

その後はトランスジェンダーの畑野トマトさんによるミニ講演会。性にはセックスとジェンダーがあることの説明から、男性であった人が女性として生活するようになった経緯を体験談として語られた。
もともとコンピューターのプログラミングの仕事をしていたのが、仕事がなくなり、生活のため風俗店で働くようになって、ニューハーフ風俗嬢として働いたとか。その関係でアダルトビデオに出演した経験も語った。現在はゲーム攻略本を書いて収入を得ているそうだ。
性転換手術をする人が減って、そのままのジェンダーを越えることが増えているらしい。日本ではまだまだ、性の区別が厳密だとか、社会通念から自由なおもしろい話がいろいろあった。
10人ほどの聴衆の中で、男子高校生3人に女子高校生2人も聴講。保守的な立場からすると危ない話ということになるだろう。

同じ会場での次の講演会はミュージシャンから農業をはじめた眞中やすさん。音楽業界の曲の出し方に納得できないことから2009年から「食」、「アート」、「遊び」を結びつける運動体 「SYOKU-YABO」を立ち上げ、横須賀市の山中での外販をしない自家消費の農業をしている。味噌を40種類揃えて味噌汁をつくるとか、国産の野菜と調味料にこだわる料理を屋台で提供するなどの活動もしているそうだ。

終身雇用の中で一生を送ることが標準的人生と見られていて、それが失われつつある現在も教育は相変わらずのようである。さまざまな生き方を垣間見ることができるのが年に一度のリビングライブラリーで、先端研の行事としてふさわしい。来年はネットでの映像配信もされるとよいのだが。

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眺める喫茶店(11-6-2)

大坂上の喫茶店ハニーズカフェは、壁に外部の作品を展示したり、パフォーマンスなどさまざまなイベントの会場にしたりしている。6月25日には気仙沼支援チャリティーベリーダンスというのもある。
最近は商品の委託販売が増えてきた。オーナーのコレクションも置いてあり、値段が合えば売ってくれる。買えるものがあるというのも店の魅力の一つとなるだろう。無論それも店のアクセサリーだ。

喫茶店はコーヒーと軽食を提供するのが基本だが、漫画や雑誌を読む場として利用されることもある。チェーン店でないならば、店それぞれに個性があったほうがよいだろう。その店独特の何かのあることが訪れる楽しみになるのだ。

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渋谷の魅力(11-6-1)

渋谷のイメージは世代によって大きな違いがあるようだ。20年前のセンター街や公園通りの記憶のある世代、最近の大型の居酒屋チェーン店やカラオケ店に思い出をもっているとか、人によりさまざま。いずれにしてもわかりにくい街であることに違いはない。そのすべてを知る人がどれだけいることか。

渋谷の特徴は、街の規模の割には、小さなビルが軒を並べ、小規模な店が多いことということになるだろう。だからどんな店があるのかを知ることが難しくなる。

銀座や日本橋の表通りのように建物が大きく、存在の目立つ店が多ければ、街の様子がわかりやすい。東京駅とその周辺は設計された巨大な空間である。新宿も歌舞伎町を別にすれば、巨大なビルが街をつくっている。六本木はヒルズとミッドタウンが昼の街といってよい。

こうしてみると渋谷の特徴が際立ってくる。全体として高級感とはやや遠い街といってもよいが、だからといってチープな街では決してない。個性ある高級店も少なくない。ただ規模が小さいだけなのだ。そして何よりも、道がわかりにくい。いずれにせよ、トータルで見れば、コストパーフォーマンスの良い街といえるよう。

渋谷の歩き方さえ身に付ければ、これほど楽しい街は他に探すのはむずかしい。高級飲食店を会社経費で利用することがこれまでのように維持されるとは考えにくい中、見栄をはる必要のない人たちが世代を越えて集まる街であることが渋谷の魅力になってくるはずだ。代官山や神泉、あるいは松涛という地名も使った方がよいのかもしれないが。

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