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江戸の街並(11-5-8)

江戸情緒というと日本橋や両国、あるいは浅草、深川にそれを求める雑誌が多い。確かにそうした街には江戸時代からの歴史と老舗があるから、本場とすることに異論はない。しかし、それらの街をもって江戸の街並みをイメージできるとはいいがたいだろう。江戸の街並みと江戸時代の街並みは別のものだ。京都や金沢も江戸時代の街並みで観光客を集める。小江戸という言葉もあって川越などがそれを売り物にしている。

東京近辺で江戸の街並みを感じさせる場所として忘れてならないのが深大寺の門前。神代植物公園を含む広大な森の中にそば屋が軒先を並べる光景は、人出が多くとも他の街にはない落ち着きが保たれる。緑が多く2階建てまでの低層の建物が並ぶところがかえって新鮮だ。

深大寺は比叡山延暦寺を総本山とする天台宗の寺院。733年の開創との伝説があり、江戸時代から門前の深大寺蕎麦で有名だったようだ。隣接する神代植物公園は、バラが植えられた西洋庭園が中心にあり、今年は5月15日、22日、29日にバラ園コンサートも開催される。しかし、外から見えるのはうっそうとした木立だけだからそこに西洋庭園のあることは気がつかない。

また、バス通りの反対側の丘の上の神代植物公園・水生植物園内には深大寺城址があり、戦国時代の城跡を見ることができる。いつも深大寺の境内の混雑とはかけ離れた場所となっている。

今日は天気もよく、新緑がきれいではあったが、人出はかなり少なかったし、いつもは多い外国人の姿は全くなかった。去年はゲゲゲの女房の人気で鬼太郎茶屋が大変な混雑だったが今年はどうなのだろう。いずれにしても都心部では決してマネのできない貴重な街並みである。

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