京都文化の東京進出(11-5-6)
京都の呉服店の東京店といえば、日本橋か銀座というのがこれまでの常識。デパート内やパルコなどは別として、渋谷に路面店として京都の店が開店するということはなかったはずだ。
その常識を破ったのが京都の呉服店小田章株式会社の「京呉館 TOKYO」で、今年の1月にオープンしている。小田章は明治に創業した京都の会社で、歌舞伎座の緞帳などの制作実績がある一方、X-Japanのhideのブランド「hide×odasho HI-HO!」を展開するという斬新さをもつ。
場所は神泉駅から栄通りに出る道路沿い。神泉一帯に校舎をもつ国際文化理容美容専門学校の建物を利用しての出店という。3フロアーあって、1階が「きものショールーム」館、2階が「貸しきもの」館、3階が「フリソデお嬢」館という構成になっている。
人通りの少ない道に面しているのだが、この道は栄通りの工事が完成し、並木道として整備されると、神泉駅からBunkamuraに出る道として注目されるようになることはまちがいない。円山町という地名も、京都の祇園に隣接する円山公園のある円山町と同じで京都イメージがある。何よりかつては花街であり、きものの店としては格好のロケーションだ。
そんなことを考えると、京都文化のルネッサンスを渋谷の円山町で起こそうというのが「京呉館 TOKYO」の狙いと読めなくもない。十二単などの宮廷装束を学ぶ「衣紋道高倉流たかくら会東京道場」もすぐそばの国際文化理容美容専門学校の校舎にあるのだから、これから京都文化のショールームが次々に神泉駅~円山町に集まってくることを期待しよう。
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