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ラブホテルの街(11-1-6)

渋谷には「Love Hotel Hill」という、日本人にはなじみのない英語名でも呼ばれるラブホテル街がある。狭い坂道や階段の上にある街なので、そんなところがあることすら知らない人がほとんどだろう。それでもそのエリアの面積はSHIBUYA109から神泉駅までの広い通りの裏側一帯なのだからかなりの広範囲に及ぶ。慣れてしまうとどこにでもある景色でないだけに、ちょっとした観光気分にもなるのだが、すみからすみまで歩く人は何らかの仕事があってのはずだ。神泉駅前のトンネル横の階段から、道玄坂と文化村通りを109の裏でつなぐ道玄坂小路の階段から、ランブリングストリートから、といった具合に、いくつもの入り口があるのだが、遠方が見えないから、その全体像が仕事での必要なしに知られることはない。

この一帯は100年前からの花街が、1945年5月の山手大空襲で被災したものの、焼け残ったところでは戦後米軍の慰安所として利用されたこともある。料亭や置屋の数が減っていくとその跡にラブホテルの前身となる旅館が建つようになった。1959年に補償交渉が完了した岐阜県御母衣ダム建設により、水没することになった白川村の人たちが東京に来て円山町でラブホテルの経営をはじめたといわれる。
花街としての円山町は1997年頃に見番がなくなるまで続いたといってよいのだろう。花街とラブホテル街には直接の関係はないのだが、大人の街という視点では共通している。

今や花街ではなくラブホテルの街になってしまったような円山町。その見番のあった場所(神泉仲通のファミリーマートの隣)に、「渋谷見番円山町花街案内人」が登場して、花街(かがい)のように女性が主役で華やかな場を提供したいとの想いから「花街(はなまち)シェアハウス」の事業をはじめている。
http://www.sharehouse.hana-machi.jp/hanamachi/
ラブホテルの街が、女性が主役の華やかな場、新しい国際的な花街となっていくことが期待できるのではないだろうか。

110106


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