百軒店の顔役たち(10-12-10)
渋谷マークシティ内のクリエーションスクエアしぶやで百軒店のまちの今昔を紹介する写真を展示している。12日までの展示なのだが、なかでも百軒店の街のキーパースンを一人一人紹介している写真がすばらしい。
百軒店といって分かる人は比較的高齢の人たちで、カレーのムルギーのあった街という記憶はあるものの、現在の街に関心があるわけでもない。若い人たちには百軒店という名前すら意識にない。道玄坂からの入り口は「無料案内所」が正面に見えるし、予備知識なしに坂道を登る気になるかどうか。行ってはいけない街との伝説が古くからの近隣の住民の中にあることも否定できない。なにしろラブホテルが周辺を囲んでいる街なのだ。そんな百軒店の顔役というとどんな人たちなのか、その答えが今マークシティで展示されているわけだ。
百軒店は渋谷が渋谷区になる前にできた街で、かつては円山町に含まれていた。現在のラブホテル街は100年も前からあった花街のなごりともいえる。戦後は映画館が3館あり、渋谷駅からバスも出ていたほど、渋谷駅周辺とは別の歓楽街だったのだ。渋谷の旧市街というわけではないのだろうが、ハチ公で有名になり、東急百貨店を中心に発展した渋谷駅周辺以上に、歴史のある街であったといってよい。30年ほど前まではジャズ喫茶に集まる人たちも多かったようだが、最近は昼間は名曲喫茶ライオンにファンが通うのが目立つほど。渋谷の賑わいからは取り残されている。
そんな百軒店のまちおこしのための企画「SCAPE WORKS百軒店2010」がこの週末で終了する。11日には「まちのはなしを聞く」というイベントがある。場所は千代田稲荷横の「魚THEユニバース」。百軒店の顔役たちに会うことができる機会でもある。
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