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駒場祭で勉強(10-11-23)

11月21日から23日まで開催された今年の駒場祭。たまたま関心のある講演があったせいか、これまでの8年間の中では最も充実した内容であったという印象だ。
受講したのは、田原総一郎氏、佐々木俊尚氏、東浩紀氏による鼎談(21日)。小林弘人氏(22日)、井上昇氏(22日)、天野祐吉氏(23日)の講演、といった結果として大変な豪華講師陣からなるセミナーを受講したことになる。学園祭ならではともいえるのだろう。
21日の鼎談は駒場祭委員会の企画、22日と23日は情報学環教育部自治会の企画の一部ということなのだが、テーマはメディアの未来を考えさせるものという点で共通していた。数ある講演の中から選んで受講したのでこういう結果になったともいえるのだが、振り返ってみるとメディアの将来を考える上で貴重な機会であった。

メディアの将来を考えるといっても、新聞やテレビがどうなるのか、といった立場からではない。渋谷WESTというサイトがメディアとして価値があるのかどうかということからなのだ。
結論をいえば、マスメディアの時代は終わりつつあり、個人のメディアの時代に移りつつあるということだ。鼎談ではツイッターについての話題が中心で、田原氏は現在のマスメディアの姿勢に対して率直に批判をし、ジャーナリストを志す以上、そうした企業への就職に就職することについても疑問を呈した。佐々木氏はブログやツイッターで個人の価値を高めることから始めるべきとの意見を述べた。その一つの例として有料のメールマガジン発行があり、堀江貴文氏のメールマガジンの購読読者数が1万人であることにも触れられた。

22日、23日の講演でも、情報の金銭的価値が激減し、一極集中からマルチストリームへということになっていること。所有することから利用するということで、自宅の空いている部屋を貸したり、自動車を共有するようなビジネスが始まっていることの紹介などがあった。非マスの広告が増え、完成したパッケージコンテンツは減る。永遠に未完成のまま、継続的に内容に手が加えられるということになるという話も。

最後の天野氏の講演は江戸時代から最近のテレビCMまでの広告の歴史を具体的に紹介し、ウェブ時代の広告の可能性について、ミニコミが総合されてマスコミにということなろうとのことであった。広告が流行語になった時代は10年前に終わり、これからは全国的にアピールする広告はなくなるだろうとの予測である。クチコミが多くなり、江戸時代の広告に回帰するとの見方ともなる。

全体を通じて、具体的に今後のメディアがどうなるのかは、事業の当事者が考えるしかないという結論のようだ。渋谷WESTのような地域限定メディアのネットワークは期待されるに値する、といえば我田引水となるが、駒場祭を毎年取材しているメディアは知らない。駒場キャンパスからブログなどで発信されている情報を編集するだけでも貴重なメディアになるはずなのだが。

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