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『こまばアゴラ劇場』の注目公演(9月18日)

東大前商店街にある『こまばアゴラ劇場』はここを通る人でなければ、その存在を知るのは演劇関係の人たちだけかもしれない。観劇は人類の歴史の中で恐らく最も重要な娯楽であったのが、ある時期からスポーツ観戦にその座を奪われるようになったといってよいのか。歌舞伎などの古典ではない、新作の演劇に対する一般の関心は極めて限定的といってもよいのだろう。だから『こまばアゴラ劇場」に対する関心も、残念ながら近隣の人たちには乏しいということになる。

劇作家の平田オリザ氏が支配人を務める『こまばアゴラ劇場』は、劇団『青年団』の本拠地であるばかりではなく、日本全国の劇団のほか海外の劇団との相互交流をはかる現代演劇の発信地となっている。『青年団』の特徴はそのホームページで以下のように説明されている。
「人間は日々の生活のなかで、大恋愛や殺人事件ばかりを繰り返しているわけではありません。人生の大半は、これまでの演劇が好んでとりあげてきた大事件とはまったく無縁な、静かで淡々とした時間によって占められています。平田オリザはそのような静かな時間を好んで演劇の題材にとりあげます。人間が存在することは、本来が驚きに満ちたことであり、その存在自体が劇的です。人間の生活はそれ自体が本来、楽しく、優美で、滑稽で、間抜けで、複雑で豊かな様相を内包しています。私たちは、その複雑な要素を抽象化しながら舞台上に再構成し、その静かな生の時間を、直接的に舞台にのせようとする試みをつづけています。他の同世代の劇団と際だって異なる青年団の特徴は、その実践過程と演劇理論を、『現代口語演劇のために』『都市に祝祭はいらない』『演劇入門』『芸術立国論』などの著作やワークショップを通じて、常に社会に開き、問いかけ続けてきた点にあります。平田オリザと青年団は、こうした実践的で新しい演劇理論にもとづいて、これまでになかった演劇様式を、一歩一歩着実につくりあげてきました。 」

現在上演中の演目は9月16日から10月6日までの火野葦平の戦前のベストセラー小説『麦と兵隊』をモチーフに、自衛隊のイラク派兵に着想を得て書き下ろした砂漠の中で行軍を続ける人々を描く不条理劇で、2005年の初演の再演となる『砂と兵隊』。10月5日と6日は、2009年春にフランス・ジュヌビリエ国立演劇センター制作により上演された、フランス語版『Sables & Soldats』との2本立ての上演で、このフランス語版には8人のフランス人俳優が出演する。『こまばアゴラ劇場』では今年最も注目されている公演のはずだ。

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