東郷平八郎の揮毫(9月12日)
新宿駅南口から甲州街道沿いに徒歩5分、新宿御苑に向かう途中にある都立新宿高校の学園祭では、毎年同窓会の所有する東郷平八郎の揮毫が公開される。新宿高校には日本海海戦の旗艦三笠の鐘が寄贈され、その縁で揮毫が保存されることになったらしいが、何故三笠の鐘が学校に置かれたかのいきさつは不明とのことだ。
今年は11日と12日がその日なので写真を撮らせていただいた。「興国の鐘」とは日本海海戦でロシアのバルチック艦隊との遭遇に当たって発せられた「皇国ノ興廃、此ノ一戦ニ在リ。各員一層奮励努力セヨ」との檄文からとられており、新宿高校では今でも「興国の鐘は響けり 興国の旗あがれり」でしめくくる「健児の歌」がサークルなどの活動のたびに歌われていると聞く。1922年に東京府立第六中学校として学校が創立された時は男子ばかり。1950年に新制高校となって男女共学となったが、女子の比率は25%で男子の多い学校であった。しかし、1980年代からは女子の比率が高まり、現在は女子生徒の方が多いそうだ。それでも男子校時代からの伝統である館山の4日にわたる臨海教室で1.5キロの遠泳が行われ、そのため全員に水泳の練習をさせている。
戦艦三笠の鐘は戦争中の混乱でなくなり、校庭にあった鐘楼も2代目の渋谷区側の敷地に作られた校舎に移った1969年ごろには取り壊されたのだろうから、もう40年以上も昔になくなっている。保護者の世代でも歴史上の世界だ。それでも、物語としての「興国の鐘」が100年以上の歳月を超えて、歌の中で高校生の世代に伝えられていくことになる。
NHKの3年にわたるスペシャルドラマ「坂の上の雲」の第2部が12月に放送されるが、今年は12月26日の旅順港閉塞作戦まで。クライマックスの日本海海戦は当然のことながら来年にもちこされる。
新宿駅から近く、副都心線の新宿3丁目からだと更に近いという交通の便の良さからか、北区や練馬区の西武線、東上線沿線の生徒が増えている。2年後には東横線からも直通になるから一層人気校になるのだろう。「坂の上の雲」を見て秋山真之の乗る戦艦三笠の「興国の鐘」に憧れ、新宿高校を受験する生徒があってもよさそうだ。
日本書紀にある神勅の一つとか
40年前まであった鐘楼
鐘楼のあったあたりは現在バラ花壇に
学校の正面
日本一にぎやかな通学路
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