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立ち呑みというスタイル(4月30日)

立ち呑みは酒屋の外で日本酒をコップであおるのが原点と記憶する。安く呑みたいというニーズに応えるものだが、何故かそんな店のある街は限られていた。立ち呑みというスタイルにそれほど多くの支持が得られなかったためだろう。
神泉町交差点横にオシャレな立ち飲み酒場としてBuchiがオープンしたのは2004年。現金と引き換えで注文したものを受け取るというスタイルが新鮮だった。女性が一人でも入れる店というのがコンセプトで、今も相変わらず客が店外にあふれている。1階の細長い店内には20人余りが入るのだが、その混雑感が魅力となる。周りの会話がストレートに聞こえてくるわけだ。立ち飲みといっても酒も料理も種類が多く、しかもテリーヌとかカルパッチョなどレストランの前菜のメニューも数多く用意している。だから立喰酒場と称している。
今月は中目黒にもかなり大きなオシャレな立ち呑み屋が開店したりして、今や立ち呑みはメジャーなスタイルになってきている。
4月26日にはBuchiをさらに小さくしたような立ち呑み処EVANSが神泉仲通に誕生した。「ビル・エヴァンスのロマンチックなジャズピアノに深く包まれながら、ハイボール片手に鶏唐揚げを味わう・・・?そんなオトナなお店、つくっちゃいました!」とチラシに書いている。
Buchiでは若い女性スタッフが注文を受け、あまり見えない厨房で3~4名の調理スタッフが料理を作るのに対し、EVANSは対面ですべて準備する家庭的な雰囲気。また、Buchiが年中無休で夕方5時から3時までの営業なのに、EVANSの方は午後5時半から11時半までという、このあたりでは珍しい早めの閉店時間だ。インテリアには共通するものを感じさせるが、10人がやっとかというスペースの違いからか、印象はかなり違う。料理も家庭的で「喫茶店のナポリタン」というものもある。
スタンド・バーは最近では余り聞かない営業形態といえそうだし、実質カラオケバーといってよさそうな、スナックという営業形態に親しんだ世代は盛り場から去っていく。都会の喧騒を楽しむ場所として立ち飲みというスタイルがあるのだろう。オフィス街と静かな住宅地がつながっている神泉には店の中と外が一帯になっているような立ち飲みの店は似合う。

EVANSの入り口
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EVANSの周辺
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Buchi
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