百軒店の復活(1月9日)
百軒店は「ひゃっけんだな」と読むのだが、この近所に古くから住む人たちは「ひゃっけんてん」と呼んでいる。ここが渋谷を代表する歓楽街であった時代を知る人は既に60代の後半になり、その人たちも街から遠ざかって久しい。
渋谷の中心が道玄坂や百軒店からセンター街と公園通りに移りはじめたのは40年前ごろから。外からの人の流れは新しい街に変わり、飲食店はマークシティの反対側が賑わうようになっていった。
名曲喫茶のライオンとカレーのムルギー、そして中華料理の喜楽の他、百軒店の店を知る人はまれだ。「無料案内所」の看板と道頓堀劇場のネオンで敬遠する人もあるだろうし、昼間営業している店は限られる。通り抜けるにしても、方向感覚を失ってしまうのが百軒店なのだ。
隠れ街という言葉がぴったりのこの街には、2つの車の通れる入り口の他は、すべてラブホテルに囲まれた4本の路地しかない。そこには50軒余りの個性的な飲食店があり、表通りの喧騒を逃れて通う客がいる。
そんな百軒店の中心に建てられ、しばらく放置されていた高層のワンルームマンションが入居者の募集をはじめている。ジャズバーや中華料理、喫茶店などの新規開店も続いている。新しい時代に向かって百軒店がいよいよ動きだす。
その真ん中といってよい位置にあるのは「百軒店で2番目に安い店」としている家庭的な居酒屋「ファミリー」。店長手作りで自慢のお好み焼きを味わいながらの焼酎も格別で、おしゃれとはほど遠く薄暗い店の雰囲気をかえって新鮮とするのは、ひいきのひきだおしになるのだろうか。
道玄坂からの入り口
円山町ランブリングストリートからの入り口
入居募集中の高層マンション
高層マンションの入り口
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