江戸しぐさの本(10月23日)
明治維新によって寺子屋がなくなり小学校ができた。浪人などもやっていた師匠と呼ばれた教師から、師範学校で教育を受けた先生が学校教育の担い手となった。高等教育の場には欧米人が教師として迎えられ、その教え子たちが近代日本を築いたといってもよいのかもしれない。その過程で、維新以前の教育が忘れ去られてしまったようだ。
小学校ができてから130年以上経過しているから、それ以前のことは「残し文」に頼るしかない。明治の「文明開化」以前は非文明の時代だったのか、ということになると、今は余り見ることもなくなったハエが目の前を飛び、蚊に刺されるだけでなくノミにも食われ、体の中には寄生虫のいるのが普通だったろうから、非文明の時代だったいうことは一概には否定できない。でもそんな状態は50年前までは続いていたし、そんなことだけが文明でないことは言うまでもない。いずれにしても、文明開化の過程で失われたものを見直す努力も必要だろう。
明治以前の江戸町人の生活信条や考え方を背景に行われていたことを「江戸しぐさ」と名づけたのは10年前に亡くなった芝三光氏。そんな「江戸しぐさ」が寺子屋教育の中でも生かされていたそうだ。
芝氏が昭和49年に発足させた「江戸の良さを見なおす会」では、江戸しぐさについての本を出している。書店では買えなくなったが、大坂上バス停前の喫茶店ハニーズ・カフェに置いてあるので、蜂蜜コーヒーを飲むついでに購入することができる。

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