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宮下公園のナイキ公園化について(6月29日)

渋谷駅の東側にある宮下公園の問題について、全国に多くの読者をもつ有名ブロガーのカトラーさんが、めずらしくこのローカルな話題を扱っている。「環境ファシズムの足音が聞こえる:あらためて宮下公園のナイキ公園化に反対する」というものだ。
http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2009/06/post-d0fc.html#comments
現在、宮下公園をナイキ公園としてナイキにより整備される計画が進んでいて、今年の9月に着工し、来年5月にオープンするスケジュールになっている。
ナイキ公園化に対する反対派は「ホームレスの人々が住む場所を奪われる」「宮下公園を集会場所として使えなくなるため市民運動が制限される」という反対論を展開しているそうなのだが、カトラーさんの立場は異質なもの汚いものを排除するのは環境ファシズムだという立場からだ。
「都市、街というものは、もともと猥雑なものである。ヤクザもいれば、娼婦もいる。世界の富を独り占めする奴がいる限り、貧富の格差やホームレスも決してなくならない。長谷部健や伊藤たけしのように、そんなにロハスやキレイな街がお好きなら、ツアーでも組んでさっさと北朝鮮の平壌にでも行ってしまえばいいのだ。」(注:長谷部健氏、伊藤たけし氏は無所属の渋谷区議会議員)
「ここであらためて確認するまでもなく、宮下公園のホームレスは、我々と同じ世界の住人であり、日本国民である。彼らが何らかの理由で路上生活を余儀なくされていることは、我々が直面している社会の現実であり、その現実はゴミのようにゴミ箱に捨ててしまえばどこかに消え失せてしまうものではない。ホームレスの人々が目の前で生活している現実とまず向き合うことから始めなければ、全ての環境議論はファシズムに直結してしまうだろう。
かつてのナチスドイツは、健康、清潔であることを国民の義務として、スポーツを奨励した。それと同じように現代のファシズムは、ナイキのようなブランドとともに環境やスポーツの衣をまとって出現してくる。」
というカトラーさんの考え方は百軒店や円山町の課題についてもあてはまりそうだ。
渋谷区としては宮下公園を税金によらずに整備し、公園の空間をより多くの人に活用してもらえることには意義があることともいえるだろう。ただ、その公園スペースが誰のものかということについての考え方を整理し、合意を形成することも必要だ。区民のためなのか、外部からより多くの人を集めるためなのか、ということになろうが、税金で公園を整備するということについては、区税全体の使い道を考えるときに賛同は得がたいはず。今のままの方が、環境が変わらなくていい、という近所の人の声もありそうだ。渋谷区議会がこれまでいろいろ議論されたことを整理して公開するようにすべきだろう。反対論を封印してしまうようでは度量が小さい。

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渋谷全般」カテゴリの記事

コメント

建前論に聞こえるかもしれませんが、公園の本来的な設置目的を向上させるか否かで考えるべきと思っています。

投稿: 渋谷区議会議員 鈴木建邦 | 2009年6月29日 (月) 22時58分

コメントありがとうございます。
設置目的のひとつに税収確保があってもよいかもしれませんね。
渋谷駅周辺のことは渋谷区民の問題かどうかむずかしいところでしょう。

投稿: 管理人 | 2009年6月30日 (火) 21時35分

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