トイレの未来(4月22日)
尾篭な話で恐縮だが、という言い方があるように排泄の話は嫌われる。トイレをご不浄と呼ぶ上品な女性は今でも健在だ。口にすることをはばかるからか、はばかりという呼び方もある。
そんな陰のイメージを払拭しようというのだろう、TOTOでは居住性に優れた魅力あるトイレの開発を進めていて、ネオレストを現在展開している。その広報活動の一環として、ブロガーに対するプレゼンテーションが新宿のショールームで昨夜あったので参加してきた。NHKもその模様を取材に来たほどの大変なイベントだったということにしておこう。
「あなた史上最高トイレ」というトイレそのものの紹介はネオレストのホームページに詳しい。トイレではなくRest Roomと呼ぶ、まさにご不浄の対極にあり、その空間を居心地のよい場所とすることを目標としている。だからファッションデザイナーの山本寛斎とのコラボレーションによるプラスチックのカラー便蓋を何色も用意し、それを簡単に交換できるようにと考えた。ホテルで連泊すると毎日色が違うということにすれば、そのホテルのイメージは間違いなく向上するだろう。
ウォッシュレットの洗い心地がについても研究がされていて、ワンダーウェーブという水圧を微妙に変化させる技術により、洗浄時の快適性を追及している。実際に使い心地を体験してみたければ、新宿のショールームのトイレで可能だ。毎日でも歓迎だそうだが26階なので駆け込むにはちょっと難がある。
お土産は便器の形をした陶器製品。キャンディやチョコレートの容器として使えるようなものだ。便器に対するイメージを変えようとするアイディアなのだろう。
しかし、史上最高トイレは夢のRest Roomで終わるのではなく、排泄を楽しむ環境作りがこれからの課題になるのではないか。介護施設では排泄介助が大切な仕事だということもあり、快適な排泄を約束する市場は大きそうだ。
"そんじゃーね"の結びで有名な「ちきりんブログ」が、高齢者市場に対応したビジネスチャンスへの取り組みを提案していることも示唆に富む。http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090326
人生の終末期の排泄を快適にすることは、健康な人のためのよりよいトイレとは違う、切実な課題になってくるのではないだろうか。
なお、ウォッシュレットはTOTOの登録商標でINAXはシャワートイレという。一般名称は温水洗浄便座と聞いたことのないことばだということも勉強した。
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